ロックと私 | 空堀ホイホイ

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ベロベロバー

3月30日に、友達が亡くなりました。

ここ数年、脳腫瘍と闘病していました。

難しい病気なので、周りの皆も、彼に対してどう接してあげればいいのかわからなかった。

去年の秋に久しぶりにメールしたら、再入院で、かなりの末期だと告げていました。

僕はお見舞いに行きました。

彼と久しぶりに会って、昔と変わらないような雰囲気で話をしました。

いつもの彼でした。

病気になった原因をいつも考えていたようでした。

大きな手術のあとは、再び仕事して社会復帰したいと抱負を語っていました。

まだ三十代半ばで家族もいますし。

だけど、お酒が大好きで、「やっぱ、酒かな~」と、少し飲み過ぎを反省していました。

正直、昔、よく酒のんで酔っ払ってた。

だけど、アホみたいな思い出ばっかりやけど、彼のキャラがアッパーやったから、なんだか、今でも、湿っぽくなりません。

ほんま、アホやった。

だけど、最高にイカれて、ナイーブで、淋しがりやで、強がりで、優しくて、意地悪で、泣き虫で、楽しい奴でした。


年が明けて、術後の経過が悪く、そこから、会話ができないような状態になったようです。

3月のはじめに、共通の友人から、「もう、危ないよ」と連絡がありました。

僕はすぐに彼にメールすると、奥さんから返事が来ました。

「医者からはあと数日だと言われています」

僕はその日にお見舞いに行きました。

彼は、お酒のボトルを抱えていました。

奥さんが「ずっとボトル抱えて離さないんですよ」と笑ってました。

奥さんが、僕がお見舞いに来たことを彼に大きな声で伝えると、その瞬間、大きく寝返って反応してくれました。

奥さんが「誰かお見舞いに来てくれると、こうやって奇跡が起こるんですよ」と仰ってました。

いつも、僕のことを、奥さんにお話してくれていたようだ。

 
難しい病気だから、どう接していいかわからなかったけど彼の姿を見れて、良かった。




奥さんから、「いつも空を見上げた時、彼を思いだしてくださいね」と言われた。


空を見上げた。

涙が、零れた。

「また、ギター弾いて、唄わなあかんな」


僕は、3月30日を心に刻んで、また、旅に出る。

さようなら。

ありがとう。

また、会おう。

お前は、いつも、俺の、心のなかで、生き続ける。


奴のアダ名は、「ロック」だった(笑)