バンプ週間12 | 空堀ホイホイ

空堀ホイホイ

ベロベロバー

オンリー ロンリー グローリー/BUMP OF CHICKEN



藤原基央は天才シンガーソングライターである。

まず声。

バンプがブレイクする以前は、男性シンガーのキー、ぎりぎりで歌うスタイルが多かったと思います。

例えばミスチル。

スピッツは楽に歌っているようで、実は相当高い。

女性でも浜崎あゆみとか倖田來未とか、キンキンの高い声で歌うスタイルが多かったと思います。

なんか、突き刺すような声で。椎名林檎とか。

バンプの藤原君の声は、低く響く声がとにかく新鮮でした。

因みにバンプはチューニングが半音下がってるからね。

本人たちいわく「好きだったバンドに半音下げのバンドが多かったから」と言ってますが、具体的に言うと、ザックワイルドとか、なんかアメリカンハードロックのバンド言ってた。

話をもどす。

男性シンガーで、低く響く歌い方は、スーパーカーとかくるりなんかの影響があったかもしれないですね。

あんまり張った感じで歌わず、地声を響かせて。

しかし、藤原基央の声は恵まれすぎている。

喉仏も大きい。

やっぱりボーカリストの資質は「声で」8割以上は決まる。

しかも、やはり、歌がうまい。

そして、毎回、本気で歌う。

生き死にを賭けたように。

しかし、歌詞の言葉たちは、普遍的な、ありふれた言葉で、これでもかとココロのドアをノックしてくる。

歌詞の解釈はリスナーそれぞれやと思います。

人によっては「ちょっと、辛いかな、厳しいかな」てな感想も聞きます。

そうです。

バンプは陽性な印象でポップなイメージで、実際、わかりやすいロックバンドですが、藤原基央の歌詞の視点は、ハードコアバンド並みに、厳しい視点なのです。

上っ面だけの人生応援ソングが聴きたければ、他のバンドや歌手を聞けばいい。

バンプは、人によって、聞く時期によっては、実に耳障りの悪い音楽でもあるのです。

彼の歌には、慰められないんです。

だから、現実逃避してる時には、聞けない。

しかし、一旦どん底まで落っこちて、そこからなんとか這い上がりたいともがいている人にとっては、うってつけのロックミュージックなのです。

藤原基央は、メロディーと言葉を歌に乗せて、何かしらを伝えようと、発している。

しかし、藤原基央ほど、ロックボーカリストがよく歌う「オーイエー」という雄叫びを乱発するシンガーを他に知らない。


以前、大阪のゼップに、アルバム「ジュピター」のツアーライブを見に行ったとき。

開演後、一曲目「ステージオブザグランド」。

イントロのドラムのジャングルビートに乗って藤原基央は「オーイエー」と叫んだだけで、その場の空気が変わるほどの声の響きに羨望とか通り越して、恍惚を覚えた。

それだけで、伝わってしまう。

伝わってしまった。

何が?

わからん。

藤原基央の声は、ライブで聞くと、本当に、物理的に、胸に響くのだ。

そして、ココロに響く。

そして、感じて、動き出すから、感動する。

唄は凄い。

このアップされてる冒頭の藤原の雄叫びも、凄い。