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友達のバンドに「放課後の時代」という曲があるのだが、友達ながらこいつもそんな事歌うんやと感心したことがあります。
教室での授業など上の空で、窓の外の校庭をぼーっと眺めていた的な。
こんな視点で歌われた唄といえば、RCの「トランジスタラジオ」やな。
まさやんのアップした曲は「トランジスタラジオ」への返答なのかもしれない。
そして「不良」というキーワード。
僕がパッと思い浮かぶのが、坂口安吾のエッセイ「不良少年とキリスト」。
太宰治が無理心中して死んでしまった時のものである。
まさやんがコレを読んでいるかは知らんが、「不良」という言葉の響きに切なさを感じる。
哀愁ではない、壮年期のノスタルジー。
不良中年なんて言葉でちょい悪オヤジが持て囃された時期があったが、あんなもん糞食らえである。
太宰も、安吾も清志郎も生涯を表現に捧げた男達はみんな「不良少年」であった。
故に未完成である。
だから美しい。
そして儚く、切ない。
本人の苦悩は凡人の想像を絶する。
どもまでも埋まらない真っ黒な、ココロの穴。
愚かモノはその穴を必死に埋めようともがく。
時に酒で。
時に女で。
時にペンで。
時にギターで、唄で。
あなたは「不良」と呼ばれたことが在るだろうか。
俺は一度、水商売の女に「不良」と呼ばれた事がある。
その時はその意味が分からなかったが、最近少しわかる。
その女には、俺が、明らかに何かを喪失しているのが、映ったのだろう。
未だ、ずっと放課後である。