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はいはい、今夜は大好きなジミーイートワールドでっせ。
この前作、ブリードアメリカンで大ブレイクしまして、この作品に期待が集まったのですが、セールス的にはもひとつやったんですね。
しかもジャケの雰囲気からしてなんだか暗い。
アメリカの世相を現しているのでしょうか、。
僕自身もこのアルバム買ったのは去年でした。
なんとなく僕も期待していませんでした。
しかし、一曲目を聞いてごめんなさいでした。
物凄くアグレッシブなイントロを聴いた瞬間、もっと早く買えばよかったと後悔しましたね。
周りのバンドマンも意外にこのアルバムは聞いてないんですね。
慌てて皆に「このアルバム、ばっさヤバイデ」とメールしたような記憶があるやらないやら。
まず、このアルバム聞いて感じたのはツェッペリンの重たいけど跳ねてるグルーブ感のモダン化ですね。
ジョンボーナムのグルーブをサンプリングしたような感じに聞こえました。
実際、レコーディングの手法もかなり練りこんで作っているようで、恐らく切った貼ったの編集を駆使しているようですね。
また、このアルバムでそれまで盟友のプロデューサー、マークトロンビーノに変わりピクシーズとの仕事で知られるギルノートンを起用しています。
マークは日本ではハスキンの作品に携わっております。
マークの音作りの特徴は、ドラムの音圧を上げたがるんですね。
そもそもジミーイートワールドというバンド自体、ドラムやリズムに結構執着してきたバンドだと思うんです。
さらりと打ち込みかましたりもして、ダンスミュージックとしてのロックに自覚的だったと思うんです。
そのルーツを辿れば必ずツェッペリンが出てくると思うんです。
重くて跳ねてて、踊れるロック。
そのグルーブを手に入れれれば上モノは何が鳴ってても構わないと。
60年代、70年代のロックは基本、ブルースのフレイバーがスタンダードでしたが、90年以降はなんでもありになってきました。
ジミーイートワールドの場合はメロディアスな歌が軸にありますが、そこから、如何にモダンなアレンジをかまし、如何に良い音で録音出来るか。
この作品はかなりのクオリティーでそれらがクリアー出来ていると思います。
その要因は前作までに身に付けた経験とスキルにもよるでしょうが、この作品で、バンドサウンドにストイックにフォーカスを当てた事が感じられます。
その手法は、単にバンド内でジャムセッションを繰り返す古典的なやり方でなく、それを現代のレコーディング技術を駆使することだったのではと思います。
このアルバム、音の整合性が異様に高いんです。
ヘッドフォンで爆音で聞くと更に良いです。
当たり前に良い楽曲を最高品質の音質で如何に録音できるか。
そこに集約されていると思います。
故に、コマーシャルな曲の印象が薄く、この辺りがセールスに結びつかなかったのでしょうか。
しかし、所謂「エモコア」にカテガライズされるバンドの作品としては最高峰の作品だと自信をもってお勧めいたします。
ボーナストラックの「WHEN I WANT]なんか、ボーナストラックにしておくのは勿体無いですね。
一昨年にナンバハッチで見たライブでもこのアルバムからの曲は盛り上がりましたね。
もちろんキラーチューンの「スイートネス」なんかは鉄板でしたが。
もっとしっかり評価されたいロックアルバムの個人的筆頭に挙げられます。
因みの俺の言うとうりにこのアルバムを購入した友達も「もっと早くに聞いとけば良かった」と後悔しまくりでした。
だから、お前も買え。