今年3月の快気祝い的な雰囲気は無い。
今日は違う。
吉野氏は少し殺気立っていた。
「夜明けの歌」で幕が上がる。
イースタンのライブは微妙に立ち上がりが不安定であったりするが、今日は違う。
復帰して以来、更にスタジオでリハーサルを重ねていたのではないだろうか。
吉野氏の声のキレは完全に戻り、リズムはウネり、貫禄のステージングを見せつける。
3曲目の「世界は割れ響く耳鳴りのようだ」で俺は、最早イースタンはロックを越え、その瞬間を表現する手段として孤高かつ唯一無二の存在として完全にこの世界の普遍だと確信した。
更に4曲目「踵鳴る」でフロアには戦慄にも似た空気が流れる。
この爆音アッパーチューンを皆がシンガロングする光景。
昔のライブのようにモッシュダイブする光景は無いが、唄が皆のモノになっているんだなと改めて俺もシンガロングしながら感慨が過ぎった。
序盤を飛ばしてようやく吉野氏のMC。
「こう見えても、毎日、7時に起きてるんです」
開口一番何を言い出すかと思えば。
全員爆笑。
「7時に起きてもリハの入りまで暇なもんで、朝から新世界のじゃんじゃん横丁に行ってまいりました」
吉野氏は大阪は朝から飲める店が多すぎると感心していた。
「大阪のお店の人はどこも愛想が良いんだよ。で、俺がうどん食ってごっさんって言って店を出るときに、おおきに~て言うだろ。あれがたまらんのよ!」
そうか、なんぼでもおおきに~って言ったるで。
毎回吉野氏は大阪でのMCは緊張すると言う。
何故なら大阪は話しにオチが無いと厳しいからだというが。
そんな話を今回もしていたら知り合いのバンドマンが吉野氏に直接突っ込みを入れていた。
あいつ、来てたんか。
それはさておき。
まーそれにしても毎回、イースタンユースのライブにはホントにはずれが無い。
今回に関しては吉野氏の歌とリズムとのかみ合いや呼吸がホントに上手く合わさっていた。
だから、フロアは揺れながら皆で歌を共有できる空間が自然に発生していた。
特に面白かったのは、「未ダ未ダヨ」や「扉」、「男子学生危機一髪」、「いずこへ」等の往年の名曲になると、途端にビートがたて乗りになり、客がジャンプしたりする光景が面白かった。
最近のイースタンは横のりっぽい感じの曲が増えてたからね。
いずれにしても新旧問わず、イースタンの楽曲は常にその時その時で、これ以外有り得ない創作をしてきた結果、一貫してぶれていない姿勢が示されている。
いつも鼻歌でイースタンを歌うたびにも思うが、イースタンの歌は口ずさむだけでかっこいいのだ。
それが顕著に現れているのが、今回2回目のアンコールで最後にやった「青すぎる空」の

なんかは、いつ聞いても、いつ歌っても、良いなと思う訳である。
そんなわけで「青すぎる空を」を、どうぞ。