唄は世界を繋ぐ | 空堀ホイホイ

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ベロベロバー

ジュゴンの見える丘/Cocco

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この歌を初めて聞いたのは3年前の泉大津フェニックスで行われた夏の野外フェスだった。

生温い大阪湾の潮風の中、遠い沖縄の海に思いを馳せながら、全身全霊でこの曲を受け止めた。

唄が世界を繋いだ瞬間だった。




2年前、初めて沖縄を訪れる機会に恵まれた。

丁度訪れた日、宿泊していたホテルが沖縄県庁前だったのだが、当時、またもや米兵が婦女暴行を行い、県内はその問題で連日デモ集会が繰り広げられ、県庁前は騒然としていた。

「これが沖縄か」

そう実感した。

ホテルの部屋の窓からその集会の一部始終を眺めていた。

一方、部屋のテレビからは沖縄の地元アイドル達が映し出されていた。

俺は本土の傍観者に過ぎないと思い知らされた。


沖縄に滞在している間、地元の知人に様々な場所へ案内してもらった。

それでも諦めない

沖縄は観光の島だ。

戦争の爪痕も観光として生業にされている。

それに複雑な思いもした。

首里城は再建され、建物の中はエレベーターもあった。(車椅子用)

これは我が街、大阪城も同じやな。



沖縄の若者は地元では就職が無いからどうしても本土へ向かう。

大阪だと大正区、兵庫県の尼崎、なんかに沖縄の方が多くおられる。



コッコはそのライブのMCで

「沖縄の女はよ、嫁に行きたかったら大阪に行けって言うさよ」

って言ってた。

ははは。

大阪も仕事ないねんで。




遠い昔、南方から海洋民族が近畿に到着したらしい。

沖縄の海も、大阪の海も繋がっている。

俺の体の半分には奄美の血が流れている。


血が南の島への慕情を誘う。

そんな魂を揺さぶる唄がある。


唄は時を越える。


唄は世界を繋ぐ。