昭和八年生まれのおばあちゃんと語らいました

たまたま顔見知りになった昭和八年生まれのおばあちゃん。

もちろん戦争経験者。

当時小学校六年生。

実家は、下駄屋。

…下駄屋？？

…下駄専門店なんてほぼ見たことないよね。

…呉服屋とかに一緒に売ってることはあっても。

駄菓子菓子。

…その頃ほとんどの人は、下駄か地下足袋（？）のようなものしか履いてなかったと。

なので下駄の鼻緒が切れたりもするし、下駄屋もあったしそれで生計が成り立ったと。

…

…まぁ、俺の曾祖父さんも、俺が子供の頃は、下駄履いてチョンマゲ結ってたからね。（素）

…武士の誇りであるチョンマゲを切り落とす際の、曾祖父さんの男泣きは、今でも昨日のことのように思い出せる。（素素）

…もとい。

そのおばあちゃんの実家は、東京大空襲で、焼夷弾4発くらい喰らい、全焼したそうだ。

…毎週通ってた近所の教会には、「子供達だけでも寝かせてもらえませんか」という当時小学校六年生の親のお願いは却下されたそうだ。

仕方なく実家焼け跡に、穴掘って眠ったそうだ。

…80年以上経っても、人の恨みというものは消えないものなんだね。

…。

…敗戦後って、米軍が車でお菓子配ってて、日本の子供がギブミーチョコレート言ってるイメージあったけど。

…お菓子なんか配ってなかったし、ギブミーチョコレートも聞いた記憶ないそうだ。

…食べ物は配給だけでは必ず足りないから、皆闇市で買うしかなかった。

一升の米を、かまどの火で炊いてたと。

…お父さんは、その時40歳くらいで、そろそろ赤紙が来て戦争行かねばならなくなるギリギリの頃だったと。

…そーいや数年前死んじゃった俺のじーちゃんは、戦争には行ったが、戦争のことは語りたがらなかったな…。（注・これは本当）

聞いても話してくれなかった。

孫や家族にこそ言いたくない体験だったのかもしれない…。

…。

おばあちゃんは、今92か93、と言ってたな。

分かんないと。

歳なんか面白くないから数えてないと。

昭和八年生まれ。（ここは何度もブレずに言ってたのでおそらく正しい）…てことは今年91歳…。

…歳、ちゃうやんけ。笑

…ともあれ。

貴重な人生譚を、生で聞かせていただいた。

おばあちゃん、ありがとう。

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