フィリピン人は、全人口の10分の1が、海外出稼ぎ労働者。
海外に行ってお金を稼ぐ文化がある。
総理大臣も噂されたマニー・パッキャオの存在もあり、ボクサーは海外でも頑張る。
…昔からボクシングでも呼ばれてたが、ある時「タイトル戦等以外のフィリピン人禁止」になってから、タイ人やインドネシア人も呼ばれるようになった。(ほんで今またフィリピン人OKに?)。
…そもそも、通常の海外出稼ぎも、お金がかかる。
一族郎党からお金を集め、一番若くて頑丈な人間が選ばれ、一族郎党の希望を背負って海外へ行く。
なので、フィリピン人は海外で一生懸命働くのが基本。
…。
タイ人。
ブルーカラーとホワイトカラーの区別が激しい。
ムエタイは、完全なブルーカラー。
国民的ヒーローとかまでなればまた話は別だけど。
ホワイトカラーにとって、普通のムエタイボクサーは典型的肉体労働者。その中でも命の危険も伴う、キツいのうえ危険な労働者。
…なるべく、楽をしたい。
危険な目には会いたくない。
…なので、どーせ勝てるわけ無い相手に、負け役としてきている自分が、頑張るだけ無駄。損。ダメージや危険も伴う。
なので、タイ人は頑張らないわけですね。
…もちろん例外はいくらでもあるけれど。
一回日本に来だだけで労働者数ヶ月分くらいのファイトマネーがもらえる。
頑張ろうが頑張るまいが、その金額は変わらない。
…ならば、出来るだけ痛い思いをせず危険な思いをせず、同じファイトマネーをもらう方が賢い。
…ただし、タイ人はムエタイが国技なだけあって、土壌はものすごく広い。
国際式の方が外国行けばお金も稼げる。
なので、強いやつはとても強いが、そういうのはプロモーターが出さない。
…世界タイトルとか持ってると、かなりふっかけられて連れて来られる。
あとムエタイが月一回くらいコンスタントに試合をする影響か、国際式ボクシングのボクサーも、2ヶ月に一回くらい試合する。(世界チャンピオンも防衛戦の合間に調整試合をしたりする)
なので、日本でいう試合よりも、どちらかと言えば公開スパーに近い。
試合が、日常生活の一部なのだ。
…普段、普通に見てるボクシングの試合は、それぞれがそれぞれの人生を凝縮させた晴れ舞台の一瞬であって、それと日常生活の一部とを見比べたら、そりゃ「頑張らないなぁ」と思われても仕方ないかもしれない。
…。
我々日本人から見てそんなに変わらないように見えるアジア人でも、その国その地域その生活によって、ずいぶんとその文化や考え方は違う。
…旅して現地に触れてみると、よーく分かるよ。
…外国人が、タイ人なのかフィリピン人なのか。
必ずとは言わないけど、傾向として明らかな違いは存在するので、そんなところに目を向けてボクシングを見ても、面白いかもしれない。
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