豊嶋は、俺が現役の頃はまだ4回戦とか6回戦上がったばかりだったので、正直あんまり覚えてないけど。

素直で、意外と強いなぁと。

…今のように世界一直線の勢いまではまだなかったので、伸びたんだろう。

一つ前の防衛戦で防衛に成功してる坂井祥紀も、現役時代メキシコでスパーしたが、本当に強かった。

そんな豊島亮太、フィリピンウェルター級チャンピオンを迎えての防衛戦。

1R開始。

お互い、細かいフェイントやテクニックというよりは、ズドンズドンと入る重そうなパンチ。

豊嶋はもちろんだが、フィリピン人も重そうなパンチを打ち込んでくる。

目が離せない。

2ラウンド。

重そうな「ドン ドン」いう響きが伝わるパンチ。

豊嶋が入れてるが、相手もかなり重そうなパンチを降ってくる。

決して油断ならない。

3ラウンドで、やや豊嶋攻勢が明らかに。

4ラウンドになると、さらにプレッシャー強める。

…左フックが耳に当たったか、相手の右耳、「お団子ですか??」と聞きたくなるくらいパンパン。

…耳って、どうなのか一瞬分からない感じがするかもだけど。

…んめっちゃくちゃ痛いから!!

…試しに、自分の耳をギュッとつねってみると分かる。

他の部位より、痛いから!

…ほんでそれが内出血して腫れると、触れるだけで飛び上がりそうに痛い。

…試合中はアドレナリン爆発してるから、どこまで痛みを感じたのかは、分からないけど。

…。

5ラウンド開始、豊嶋の左フックから連打たたみかけたところでストップ。

ほぼ危なげない完勝。

…ウェルター級初の日本人世界チャンピオンに向けて、また一歩駒を進めた。




左耳


右耳


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