ボクシング見ない人にも、もはや知られている井上尚弥。
対する世界のレジェンド、ノニト・ドネア。
…ドネアは、一度帝拳ジムにて間近でそのボクシングを見ている。
…ステップやパンチを打ち込む軽さが超人的だった。
…月面着陸して動いてる人を早回ししてる感じ？
…本当に軽くパンチが動くが、その破壊力は周知の通り。
モンスター井上尚弥との第1戦は、見応えのある12Rだった。
…ただの再戦ではなく、ドネアもWBCベルトを獲っての、統一戦。
…それならどうかというのが興味の行方。
…。
…ただ、せっかく盛り上がってたから言わないようにしてたけど。
証人ありだから言えるけど。
ズバリ「2R位で終わるんじゃないか」と予想してた。
物凄く強かったけどピークを超えたドネアと、まさにモンスターで上り調子絶好調の井上尚弥。
前回より差は開くだろうと。
それも長丁場持たないのではと。
結果だけ見れば当たりではあるけれど、内容は外れた。
…。
…開始ゴング。
…。
緊張感のある1R目。
…ドネア、俺が予想してたよりは全然良い。
もしかしたら前回より良かったのではないか。
井上が初回から圧倒するどころか、むしろドネアがプレッシャーをかける。
井上尚弥は初回から攻めて出るのではと思ってたが、様子見。
ドネア少し押してるか。
…けれど単発のクリーンヒットは井上。
…。
静かに終わるかと思っていた1ラウンド終盤。
右一閃！！
ドネアダウン！！
度肝を抜かれた。
ドネア、効いてはいるものの立ち上がる。
試合再開と共に1ラウンド終了のゴング。
注目の第2ラウンド。
…本当に1ラウンド終了間際だったので、まだダメージは残ってるはずだ。
…今いっちまえ！！
…しかし井上は割と落ち着いて攻める。
詰めに行ってる様子はない。
むしろドネアが前のラウンドと同じように前に出てプレッシャーかける。
…が。
左フック直撃！
よろけるドネア。
チャンスを逃さない井上。
追撃行ったところで、レフリーがストップする直前くらいにドネアダウン。
そのまま試合終了。
…。
……。
微笑みさえ浮かべ、井上の勝利を讃えるドネア。
…多分、本人が一番分かっていたはずだ。
自身の衰えを。
…それでも、やれる。
まだ、やれる。
…その証拠に、WBCのベルトは獲ってみせた。
…俺はまた、やれるはずだ。
井上尚弥に勝って、ノニト・ドネアここにありを見せる。
もう一花咲かせてやる。
…。
ボクサーは、自分の一番良い状態の時のイメージしか頭に残らないという。
…リング上で潔く井上の健闘を称えたドネアの、リングを降りた花道での涙。
…痛いほど分かった。
…多分だけど、負ければもうグローブを吊るす覚悟だったのだろう。
…ノニト・ドネアは、やはり偉大なボクサーだった。
…。
…そして、完膚なまでにレジェンドを葬ったモンスター井上尚弥。
また一段と強くなったように見える。
間違いなくこれからの日本のボクシングを牽引していくヒーロー。
…さらなる伝説になってほしい。
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