田中繊大さんは、試合中インターバルでコーナーに戻ると、「どうだ?」とまず感想を聞いてくる。
「俺の感想は俺が分かってるから、外から見てどうしたほうがいいあれ忘れるなとかアドバイス下さい」と言ったことがある。
やってる本人こそ気付かないことは沢山あるからだ。
それを聞いた上で自分の頭で複合して考え、次のラウンドの戦術を組み立てていくのだ。
結局やるのは自分なのだから、自分が試合の流れを把握して組み立てていく。
なので、外で見た意見をいってくれと伝えていた。
駄菓子菓子繊大さんは基本的に、「まず本人の感想を聞いてから考える」というスタイル。
察するに、他の選手はそうやって試合中話し合ったりしてるんだろうね。
この辺は人それぞれでいいと思うが、その辺り個別に合わせるのも繊大さんは抜群に上手い。
自分が「こうやれ」と思うもののを押し倒すのではなく、選手本人の感想や意見を聞いてから組み立てていくのだ。
なのでしかし俺の場合は「客観的に見てどうか」「どうすれば勝利に繋がるか」だけを思ったまま伝えて下さいと言ってた。
…あと、これは複数の世界チャンピオン、東洋・日本チャンピオンの証言があるが。
繊大さんは、試合中、煽(あお)る。笑
ボクシングには合理性も必要だが、最終的には感情が全てを支配するのだ。
…。
…どの試合かは忘れたが、キャリア終盤の辺り。
…怪我は治りにくい疲労は取れにくい、反射神経も鈍ってくる。
それでも試行錯誤し続けながら、えっちらおっちらリングに上がっていた時。
最終ラウンド。
「このラウンド倒せなかったら、お前ロートルって呼ばれるぞ」
ムキーーーーーーー!!!
フンガーーーーーーー!!!
人の一番気にしていることを!!
…やったろーーじゃんか!!!
おりゃああああああああーーー!!!!
ガチ絶対倒そうと向かって行ったのを覚えてる。笑
…その試合倒せなかったけど。
…駄菓子菓子、今回。
セコンドの会話もマイク入って中継されてた。
…尾川、わりと普通に試合中話してたな。
俺の時は、インターバルには目一杯呼吸を整えたくて、それが喋りたくないもう一つの理由でもあったが。
「相手がこうだから、こうしていくといいんじゃないか」
「それだこうですね」
…。
ほぼ、煽りがない。
…あの煽りはどこいったんだ!?
本人に聞いてみると。
「いや尾川にはあまり言い過ぎると逆効果だから尾川に合ったセコンドをした。ただ最終ラウンドの前に煽られた上に背中叩かれてオレにキレてた笑」のだそうだ。笑
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