ちょうど10年前。

正確に言うと、10年と4日前だけど。


WBA世界ウェルター級タイトルマッチ。


ビチェスラフ・センチェンコ

 vs

佐々木基樹


……。

「東洋圏内なら減量なんかしなくても俺に勝てるヤツはいない」とほぼ減量なして戦ってたウェルター級。

まさかの世界戦のオファー。

……体格差があろうが、受けないという選択肢はない。


……。


世界の頂点。


……無敗のウクライナ人チャンピオン。

……当時日本人の海外世界挑戦は、20連敗だか30連敗中だった。

……そのウクライナ人全勝チャンピオンが、防衛記録を伸ばすために最も安全だろうと予想された、世界ランキング14位だか

15位だかの安パイと思われる日本人。

それが佐々木基樹だった。


……無理だろうが無茶だろうが、関係なかった。

勝負に絶対はない。

これまでも俺は圧倒的不利と評された試合を、勝ってきた。

針の穴ほどの可能性。

けれどそれを本気で信じてくれる人もいた。

俺はそんな人が一人でもいれば、全身全霊魂を込めて頑張れる。

奇跡でいい、そんな人の願いを、叶えたい。

……。

最後の最後まで攻めようとはしたが、技術の差はいかんともし難かった。

……試合に燃えっぱなしてほとんど知らなかったけど、後にデモや独立で日本でもテレビによく中継されるようになった

ウクライナ・ドネツクは、ヨーロッパの美しい街だった。

当時知られもしない土地まで応援に来てくれた30人弱の友人達と、ボルシチ食べたな。

……当時から分かっていたことだけど、あらためて思う。

……後のメキシコも含め、あんなにも何か一つのものを得ようと燃えることは、この人生の中で、ない。

撮影・KOさん




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