負けた時にかけられて嬉しい言葉なんてない。

「バカヤローチキショー」で構わない。


……それでも何か言いたい。


……今ふっと思い出したけど、この話題、数年前にも盛り上がったよね?

当時現役だったので、帝拳にいたボクサーに聞いてみた。

「負けた後、何と言って欲しいか」。


……村田諒太の言葉が印象的だった。

「何もない。何か言いたい人はそれによって何か影響力を及ぼそうとしてるが、それは出来ない」。


……個人的にも、これって言葉はない。

何か一言かけたらチチンプイプイで立ち直っちゃっても、何だか困るだろ。


……ただ、俺自身の話。


……ある時。

全日本新人王負けた後だったかな。

1998年だから、今からもう20年前。


試合翌日かなんか、ジム行ったらいつもスパーしてもらってた先輩に会った。

会わす顔が無くて、ただ「すみません」と謝ったら。



変にいきむでもなく、励ますでもなく同情するでもなく上から救いの手を差し伸べるでもなく、普通に一言。



「また頑張れ」。


心の中の、何かがスコンと落っこちた。

あ、そーか。

また頑張るか。

また頑張ればいいのか!

次か。

また次がある!

また、次、頑張ろう。

未来に向かえた瞬間だった。


……20年経っても、忘れてない一言。




その先輩。

第39代日本ウェルター級チャンピオン。

中野吉郎さん。

こないだゴチになりました。

現在旗の台にて「なかよしボクシング倶楽部」運営中。





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