山中。

やっぱ俺の中では日本チャンピオンのイメージが強かったんだけど。

頑張って世界取りました!的な。

けれど今回の試合を見て、認識を改めなければいけないと思った。

日本チャンピオンが世界取ったんじゃなくて、世界チャンピオンの日本チャンピオン時代を知ってただけの話だ。


世界戦。

相手の気持ちも分かる。

自分が、海外乗り込んで挑戦者になったからね。

なんか以前とは全く違う思い入れがある。


相手に勝てば、自分が世界一の人間。

自分が、世界一。

夢のまた夢だと思ってた勲章は、すぐ目の前に現実として存在する。

そのために自分はここまでやって来た。

会場には何千人という人が待ってる。

テレビカメラもスタンバイ済だ。


間違いなく、人生で一番燃え上がる瞬間。


挑戦者、なかなかいい根性見せたね。

でも、そりゃやるさ。

どんだけのもん背負ってると思うのさ。


そして、そんな挑戦者に対して。

山中が、世界の壁になってた。

紛れもない、世界の壁。

その風格。

その貫禄。

余裕の試合運び。


気付けば五連続KO防衛。

日本歴代二位。


角海老ジムマネージャー、萩森さんのブログ読んでて思い出したが。

山中のKOは、全て左。

「左しかない」とは最初から言われてただろう。

ここでもし、そうかじゃあ左はもういいから右も鍛えようとかしてたら。

たぶん、今ほどにはなってなかったと思う。

以前書いたこと。

「欠点を直そう直そうとするのではなく、自らの『強み』を分析し、気付き、それに磨きをかけろ」。


最強とは、欠点のないことではない。

誰にも負けない「強み」を持つことである!

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それが山中の場合、左ストレートだった。