「基樹、・・もちろん勝つこと祈ってるけど、とにかく無事で帰って来いな」

試合当日、オカンが少し弱気な顔でそう言って俺を送り出した。

・・1997年にデビューして17年、50戦を経てなお、母親は母親なんだね。

「分かったよ」

軽く笑顔を浮かべ、俺はそう答えた。



・・・ごめん。

俺は、親にウソをついた。



無事なんて要らねえ。

俺が欲しいのはただ一つ、勝利のみだ。

そのためだったら、何だってくれてやる。


勝利か、さもなくは・・・・!



敗北してなお、無事五体満足で永久にリングを降りてしまった自分を、むしろ恥にさえ思う。


ボクシングができないのならば、この身体、この生命、一体何のために存在するのだ!?

ボクシングができないのならば、この身体、この生命、一体何の価値があるというのだ!?


我に勝利を!

さもなくば・・・・。


我々日本人の祖先である侍の世界には、よくこんな台詞がある。

「生き恥を晒す位ならば、・・・」


・・別に、死にたいわけじゃない。


ただ・・。


やることが、ない。

本当にやりたいことが、ない。


そんな風な率直な心境を話してたら、誰かに言われた。

「でも、きっと、『生きてて良かった』って心から思う時も来るよ」。



・・・・・・・それもそうだよな。(笑)


そんな風に思ったのが、試合後二日目くらいかな。



今は張り切って、第二の人生のスタートだ!


・・・うん、そう。

よく「第二の人生」なんて言うけれど。

まさにその通り。

ボクシングは、俺にとって生きることそのものだった。

一つの人生の、終焉。

一つの人生が、終わった。


・・これってある意味ラッキーじゃね?

人生を二回味わえるようなもんだ。


前から決めていた。

ボクシングを、いつか終えたら。

思う存分旅をしようと。

むしろ人生でそれができるのは、終えたその瞬間しかないぞと。

過酷な日々を送ってきた自分の肉体と精神へのプレゼントでもあり、
前々から分かり切っている言わば「生きがいなくし欝」からの逃避でもあり。

そしてその旅の間に、次の生きる道を見つけよう。

・・・・・どっかの国でひっそりと違う格闘技やってたりして。(笑)

世界一周。

一年くらいあればいいでしょ。

でもその間、さすがにずっと遊んでいるわけにもいかない。

そこで。

旅先で実際確実にできることと言えば?

文章を書くことくらいか。

ボクシングを振り返ってもいいし、旅先での出来事を面白おかしく書いてもいいし。

それともう一つ。遠隔でできる投資。不動産投資。

あとは、日本帰ってきてから仕事見つけると。


佐々木からお願いがあります。

旅から帰ってきてからのことは、何も決まっていないので。

何かしら佐々木に手を貸すぞという方、ご連絡お待ちしています。


・・先日チラッと書いた、廣田会長、七星さん、峯島さん等、ネットビジネスの超大物達。

違う分野でネット使ってビジネスしてる西井。

明日は弁護士の楠先生と会う。

やはり頭の良い人間といると、それだけで学びになる。

次に何をしようか、ビンビン刺激される。

あんなのもいいな、こんなのもいいな、あれあれこんな道もあるのかと。


・・・マジで俺、回遊魚体質だな。(笑)

立ち止まってなんかいられない。


一つの人生が、終わった。

でもホント、それはスタートでもある。

例えて言うなら、初めてランドセルをしょって学校というものに行った、あの日。

そんなワクワクすらある。


・・・・・・・強がり?

かもしれない。

今、落ちたら、マジでヤバいとこまで落ちると分かってるしね。


・・けど、俺、一人じゃない。

仲間がいる。

本当にありがたい。


むしろこれから、この時こそ、人の応援が、支えが必要になってきます。


これからも佐々木をよろしくお願い申し上げます。



佐々木基樹引退式日程希望、明日には決めるので、参加してあげるって方、ドシドシご希望下さい!

コメントでもメッセージ
boxer@power.email.ne.jp
でも結構です!

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