初日。

宿舎で出された夕食は、伊勢海老、他。

豪勢な食事。

皆はわーいと単純に喜んでいる。

・・・が、俺と所は、ちょっと違った。

宿代が、おおよその金額でしか知らされていなかったのだ。


今回基本的に、白井具志堅ジムのキャンプ。

白井具志堅ジムのメンバーは経費が全てジムもちなので、飛行機代や宿代が
いくらなのかも選手は知らない。

俺や所は言ってみれば自主参加なので、自分でお金払うのは当たり前のことである。

帝拳ジムにはものすごくお世話になってるし。

これ以上の迷惑はかけられない。

で、その宿代が、おおよその金額でしか知らされていなかったのだ。

自腹組は、経費がいくらになるか心配になったりもしてた。

トレーニングが目的だから、食事とかであんまり豪勢にやられてもなぁ・・と。

所なんて特に所帯持ちで、ジムの指導休んで来てるわけで。


が。

やはりモチベーションは、自腹組が強い。

「自腹だったら正直来ない(来れない)」って人もいたけど。

確かにそれも分からんではないけど。

世界取らない限り、基本的にボクサーは金ないからね。

だからこそやっぱり自分で金払ってわざわざ徳之島まで行くと、そこへのモチベーションは違う。

少しでも何かを得て帰ろうとする。

自分への投資だ。

野木さんのキャンプは、十分にその価値があった。


我々ボクサーは、強くなることこそ至上命題である。

そのためなら、労力はもちろん、お金も時間も惜しむべきではない。


…とはいえ、無い袖は振れない。


よーし、じゃー今日はいっちょボクサーとお金の話でもしようかな。

よく聞かれるしね。


…というところで長くなりそうなので、明日に続く。

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徳之島の夕陽