マラソンのQちゃんこと高橋尚子選手を育てた小出監督と、合流。

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小出監督ともう一人は、2009東京マラソンで優勝、2012横浜国際女子マラソンで準優勝(日本人一位)したなっちゃんこと、那須川瑞穂選手。

小出監督は野木さんの陸上の師匠であり、言わば俺は小出監督の孫弟子に当たる!


まぁ、合流と言ってももちろん同じ練習をするわけではないですが。

今朝は朝の腹筋とロードワーク、今日も五キロほどついていき、俺等は引き返す。

…でも五キロもちゃんとはついていけなかった。

山道とは言え、キロ四分半位か。

でもキツかったな。

マラソン選手の本番は約三分。

…うーん、すげえ!


…ちょっと話したら、ボクサーはすごいって言ってたので、自分等は陸上選手がすごいって言ってるんですよと。(笑)


…例えば所は、やっぱりボクシングに限定してボクサーとして見たら、まぁ正直それほどでもない。

レスリングの練習でレスリング選手とレスリングしたら勝てないとも本人が言ってた。

でも総合ルールでやればもちろん俺等も所に勝てないわけで。


それぞれの専門ってことですな。


合間時間、小出監督が野木さん達とロビーで話してたので、参加させてもらった。


〈小出監督メモ〉

○陸上選手は、試合の四十から五十日前にピークまで追い込む。
この時はめちゃくちゃ追い込んでいい。
で三週間前から落とす。

○練習はハードにいけ!
さらに二割三割上げていけ!

○年齢を重ねても、練習量落とさずに、むしろ上げていけ!!

落とすとドンドン落ちていく。

女は四十までいける。

ボクサーだっておそらく38、9までいける。

体力はトレーニングしてりゃ落ちない。

マンネリ化させない。

さらなるハードトレーニング。

マラソンで、35キロから先走れないのは練習不足。

最後きついとこをもっと飛ばせ。

一か八か。

それを持ちこたえるのがQちゃんで、有森だった。

○これやればできるよ、じゃダメ。

これやったらできるかもしれないよ。

○一番になるトレーニングをやらせる。

○ワールドレコードで42キロのうち、3キロ差があった。

それを縮めるのは皆無理だと言った。

俺は言った。無理じゃないと。

疑ったり、無茶ですと言ったり、人に無理と言われてそれを本気にするようじゃダメだ。

できると思うやつができるんだ。

○ボクシングなら例えば、全部終わった後、もう三ラウンド全力でやる!

○皆、一般常識で考えちゃう。

人間の持つ力は、考えているよりあるんだ。

世界一になるなんてのは、そもそも一般常識の及ぶところじゃない。

そこへどう到達するか。

○普通の人は習ったことしかできない。

それ以上に力を付けるにはどうするか。

気がつかないのと、最初から諦めちゃう。

無理だと。

そんなことはないんだ。

○もうあと二年のために、退職金ががっつり安くなったが、銀メダリストじゃなくて金メダリストを作るために前職をやめた。もちろん後悔はない。

○今の合宿も、一本目から全力で!!

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いつも思うが、「何を言うか」以上に、「誰が言うか」こそが、言葉に魂を宿させる。

一丁前なことをいう人間は、どこの世界にもいくらでもいる。

結果を出してない人間が何を言おうと、俺は相手にしない。

小出監督が言うから、言葉の重みが違うのだ。

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合間時間、他のボクサーはそれぞれ寛いだりおしゃべりしたりして時間を潰してる。

俺は、自分のボクサーとしての能力を少しでも高められるかもしれないと、チャンスとあれば貪欲に学びにいく。

けど、それで当たり前だと思ってる。

大した才能のない人間が、身の程知らずにも世界の頂点を目指すのならば、こんなのはむしろ当たり前のことである。