昨日の続き。

「どこか悪いところ、直した方がいいところはありませんか」という質問が、なぜ間違いか。


賛否両論あることは分かってる。
これはあくまで俺的現時点での結論なので。


で、バレロに戻って、断言しようか。


かのエドウィン・バレロですら、致命的とも言える欠点はあった。


だけどもちろん、それを補って余りある強さを持っていたから強かったわけだ。


ガードが悪かったのは早期から言われていたし、俺が致命的だと感じたのは、力み過ぎ。

一発目のボディージャブからおもくそ力込めて打ってくるからね。

これだったらカウンターとれるだろう。

…が、取れなかった。予測してるし目もいいから、よけられた。

こんなに力入れてたらすぐ疲れるだろう。

…疲れなかった。パンチ以外の動きでは全く力んでいなかった。それにプラスして、ものすごいスタミナがあった。


実際やった実感を込めて思う。


強いボクサーってのは、決して欠点のないボクサーではない。

そりゃ欠点はない方がいいけどそれより増して、自らの強みを最大限に活かしたヤツが、強い。


俺が感じるに、日本人は皆欠点をなくそう欠点をなくそうと頑張っている。

これは、指導者の側にもその傾向はある。

が。

欠点をなくした所で、最強にはなれない。

桁違いの何かを持ったヤツが世界にはもちろん、国内にもいるからだ。

小さく綺麗にまとまってても、弾き飛ばされてしまう。

それに対してどうすればいいか。

自分も桁違いの何かを持つしかない。

何か一つだけでそこまで特化するのは難しい。

ならば。

自分の得意な部分を全て把握して、そこを最大限に伸ばし、その相乗効果を狙う!


さらに分かりやすく言おうか。

悪いところを直そう直そうとするんじゃなくて、良いところを伸ばすんだ。


自分の強みをなるべく客観的に把握し、それをどう活かすかに集中する。

それにはやはり実際拳を交えた相手の意見が一番いい。

で、何を質問するか。

「何が悪かったか」じゃない。

「何が良かったか」である。

「相手にとって、何が嫌だったか」である。

もちろん、悪いところも聞いていい。

ただもっと具体的に聞くなら、「相手にとって何がやりやすかったか」だ。

特に最初のうちはそれも大切だ。

伸びないヤツの一番典型的なのは、人のいうこと全く聞かずにつまり基本をしっかり身につけようとせずに、最初から我流でなんとかしようとする人間だからだ。

それはもちろんダメだけれど。

ある程度基礎が身に付いたら、あとは長所を伸ばすことに意識をおく。


我々ボクサーに必要なのは、負けないことではない。

勝つことなのだ!

photo:01


某スーパーチャンピオンに右決めた瞬間。スパーと試合は別で、スパーはあんま強くなかった。(笑)