一昨日粟生から王座を奪っていったガマリエル・ディアス。

繊大さんが、偶然会ったそうだ。


右腕を、三角巾のようなもので吊るしていたと。

「右腕どうしたんだ?」と繊大さんが聞いた。

「試合の途中で肘をバキッと傷めた。それから明らかにおかしかった」

「でも右ストレート普通にバンバン出してたじゃないか」

テレビ観戦だったから俺も会場よりむしろアップで見れていたけれど、何も傷めてた様子はなかった。

調子良さげに最後まで右を出していた。

そんなディアスの応え。


「俺にとってはこれがラストチャンス。腕が壊れようが、いくよ」



おおーー・・・。

すげーなぁ。

気合入ってたんですね、やはり。


他人事で普通にそう思う。



・・・で、ふと、自分の世界挑戦の時を考えてみた。


腕が途中から痛かったら?


・・・・そりゃいってたな。

腕の一本二本、ブッちぎれたって構わないよ。


仮に、マジで一生腕が使い物にならなくなってたとしても、構わない。


俺は勝ちたかった。


負けは負けで仕方ない。

けど、最後までやらせてほしかった。

$ボクサー日記