感想を、分かりやすく一言にまとめようか。


良さを、殺された。


その相手の良さを潰すのも大切な強さの要素なんだけど。

西岡のあのいつものモンスターレフトが、出なかった。出させてもらえなかった。



初回は、西岡の右ガードを高く上げたスタイルが印象的。

お互い得意なのは左だから。

ドネアの左フックをあそこまで潰せば、どうだろういけるんじゃないかみたいな。


西岡は、若干堅かったね。

アメリカは実質ドネアのホームだしね。


4ラウンドくらいからかな。

ドネアがリズムに乗り出した。

自分のリズムで、自分のやりたいことをやりだした。

西岡は、自分本来の動きを出せなかった。


そっから流れはあまり変わらず。変えられず。

むしろドンドンリズムに乗っていくドネアを、抑えることができず。


西岡の強さは誰もが認めているし、分かっているはずだ。

その西岡を上回るドネア。


世界は、本当に広い。

本当に、物凄い人間が、存在する。


・・・そーいや前にドネアがちょっと帝拳来た時、スパーするかみたいなこと言われたんだよな。

自分が調整不足なのもありやらなかったんだけど、今思うに、ボコられてもいいからやっとけば良かったな。

千載一遇のチャンスを逃した。


6ラウンドか。

西岡ダウン。

でもそれほどダメージは引きづっている様子はない。


もはや、やるべきことは見えた。

ポイントでは勝てないわけだから、打ち合いにいくしかない。


迎えた9ラウンド。

決死の覚悟で前に出る西岡。

そうだ。

もういくしかない!


いい具合にプレッシャーかけた。

ドネアをロープに追い詰めた。


チャンス!

さあ火を噴けモンスターレフト!!


もう火を噴くその瞬間。

まさかのドネアの右。

普通西岡の左を避けるのが精一杯の位置、タイミング。

そこから逆にまさかの右を打ち込むドネア。

崩れる西岡。


ダメージは深い。


再開後、パンチ一発目でストップ。

テレビでは角度的に映ってなかったが、帝拳からストップかかったと。

直後タオル持って走り寄る繊大さん。

選手を守る、英断と言える。


確認してないが、おそらくフルマークに近いポイント差だったと思う。

ポイント差ほどの実力差は感じなかったが。

毎ラウンド、少しずつ取られ、それが広がっていった感じ。

ドネアが、良過ぎた。強過ぎた。

今までの中でも、ベストな動きに見えた。


西岡じゃなければ、ドネアに挑戦するなんてことはできなかった。

本田会長じゃなければ、こんなビッグマッチを組むことはできなかった。

勝てればそりゃ最高だったけど。

手前味噌かもしれないが、こんなでかい試合を見させてもらっただけでもすごいことだと俺は思う。

そんなジムの一員としてやらせてもらっていることを、俺は誇りに思う。