7R目が終わった時。

コーナーに戻った俺に、繊大さんはこう言った。

「いいか佐々木。これでこのまま判定までいっちゃったら、ロートルと言われても文句
言えないぞ。世間はおまえをロートルと見るぞ。・・倒して来い!」

ロートルとは、言わせない。

俺はまだ終わっちゃいない。

それを証明するのは、自らの拳でしかない。

やってやろう。

絶対に!

絶対に!!




・・・・・・・・・・・・・・・。

俺の力不足で、倒し切ることはできなかったんだけどさ。

あの人はボクサーを乗せたり焚き付けたりするのが、抜群に上手い。

その瞬間の気持ち次第で、動きも大きく変わるからさ。

そういう能力も、重要なんだな。