クリスジョンスパーは、止むに止まれぬ事情にて中止。

…俺とのスパーがそんなに怖かったのか!?



…違いますね。失礼しました。


ジムワークも中止で、仕方なくロードワークにて調整。


ちなみに日本では、平日六日間ほぼ同じように練習して日曜日休みってパターンがほとんどだと思うけど、オーストラリアのとりあえずこのジムでは、土曜日も軽く上がる。

バンデージも巻かずに、ロードワークとフィジカルのトレーニングで一日終了、みたいな。

日曜日はもちろん完全休養。



…これ逆にタイのジムだと、平日朝からロードワーク後にバンデージ巻いてミット打ちしたりするし、日曜も朝一回とかは練習したりする。


トレーニングの休養の取り方一つとっても、様々ですな。

日本人はとにかく画一的になりやすい。

皆と同じじゃないと嫌な国民だから。

そこから一歩抜け出すには、どうするか。

試行錯誤を繰り返してマイベストを探し続けるしかないと俺は思うが、どうだろう。



さて、先日行った元刑務所の話でもしようかな。

パース近郊の町で有名なのは、フリーマントルという港町。

フリーマントルに着いたら、まずは見逃せないという刑務所。

何でわざわざ楽しい観光に来て刑務所なんて見なきゃいけないのかという気もしたが。18ドルも取られて。

でも、全体で11カ所からなる「オーストラリア刑務所跡地」として世界遺産にも登録されている。

ここはいっちょ行ってみるしかないだろう!


ハテナマークはありつつも、期待も込めて行ってみました。

…が、途中やはり若干退屈し、まだ終わらないのかなとも思いつつ。

話を聞くと、刑務所内でさらに悪いことした時はさらなる刑が待っていてそれが、独房、パンと水だけの食事、鞭打ち、の三つ。

こんなとこでやはり自由はないんだな。

週末一回だけ許されるたった十分の電話がものすごく楽しみだったり。



そしてなんと。

実際に使われていた死刑台を、公開していた。

photo:01



ここで実際に44人の死刑囚の死刑が執行されたそうだ。

こんなの日本にはまずないよな。

photo:02



死刑執行は大抵週明けの月曜日。

朝五時とかに起こされ。

六時か八時までの最期二時間は、ここではほとんどの人が最も信頼し尊敬する、司祭や牧師と過ごし。

待ち部屋を出てから絞首にかかるまでは、たったの約一分。

いざ絞首台に立つと膝に力が入らなくなって立てない人のために、椅子も用意してある。

紐が長過ぎると首がなんとか(英語が聞き取れなかった)で、短過ぎると死ぬまでに時間がかかり、その間ずっと看守達は見ていなきゃいけなくて。

だからロープの長さは慎重に調節するそうで。

頭に白い布を被せ、手足はロープで縛られ、ロープに首を通すと、床が抜ける仕組みになっているのは、たぶん日本と大体同じ。

…日本で実際に絞首刑になる人は、意外と落ち着いて、「お世話になりました」なんてキチン挨拶してから絞首台に登る人が多いと聞いた事があるけれど。

話をオーストラリアに戻して、首を吊られて完全に動きが止まった後、きちんと医師が死亡を確認してから下ろすそうだが。

やはり執行が行われたその日はしんみりした雰囲気に刑務所全体が包まれるそうで。

死刑は抑止力(よくしりょく・防ぐ力)にならないって理由等で、廃止にする国も多いけど。(オーストラリアでも現在は廃止)

やっぱりその刑務所で死刑になった人も、全て殺人だったそうで。

個人的にはあっていいと思いつつ。

目の前にその現場を出されると、やはり色々と考えさせられた。


オーストラリア来てから色々なとこに連れてってくれたベボーって人がいて。

たまたまだけど、そのベボーの友達のお父さんがフリーマントル刑務所最期の絞首刑になった人だそうだ。

名前はcook。

その友達が五、六歳の頃。

お父さんは三十いくつ。

約五十年前1965辺りの話。

人を五人位殺したと。

夜、人の家ノックして、出てきた人をいきなり撃ち殺したりしてたと。

本当のクレイジーだと。

が、息子は法律家でものすごくいい人間だと。


俺が小さい頃保育園に行く途中、府中刑務所があった。

当時は今みたいにカラフルな壁に装飾されていなくて、コンクリートむき出しの灰色の大きい壁だった。

「悪いことしておまわりさんに捕まると、この中で過ごさなきゃいけないんだよ」と聞いて、気持ちが沈んだもんだけど。

自戒の意味で、あって良かったと思う。


日本じゃ絞首刑の場を公開してる所なんてないだろ。

俺はいつか自分の子供を、ここに連れてこようと思った。