忙しいにも関わらず長文だぁ!

ボクシングには全く関係ないけど。



今日TBS「アッコにおまかせ」でやってたサッカー北朝鮮で取材クルーが体験した内容。


○自由行動は許されず、常に監視人(名前あったけど忘れた)がついている。
クルー8人に対して6人。

○ホテルも食事するところも指定。値段は後から請求が来る。

○トイレを汚してそのまま寝ちゃったのに、(もちろんホテルの部屋の鍵は閉めたまま)翌朝にはなぜかピカピカになっていた。

○携帯電話は没収で、PHSかなんかを支給された。その電話で日本に国際電話をし、「ホテルが寒い」と言ったら、翌日なぜかホテルの部屋に毛布が置いてあった。(気の利いたサービス?(笑))

○監視人は日本語で駄洒落を言う。「焼酎はしょっちゅう(しょうちゅう)飲むよ」と実際に言ってた。



さーて、朝鮮関係で、いつか書こうと思ってたネタいっちゃおうか!

例によってボクシングとは全く関係ないのでよろしく。



Mという友達がいる。

友達の友達だった。

普段は穏やかで控えめで、どちらかと言えばあまり目立たない男。


名前からして、日本人ではない。

でもまぁ、そんなこと別に気にもしない。

なに人でも構わない。大切なのはその人自身だ。


ある時出自(しゅつじ)のことが話題になった。


Mが言うには、自分は朝鮮人だと。

「北朝鮮?韓国?」

どっちでもなく、朝鮮人なのだと。

ちなみに、Mはおじいさんの代で日本に来たので、本人は日本語しか話せない。

でも、俺はあくまで朝鮮人なんだと。


最初意味が分からなかったが、話を俺の解釈で要約するとこうだ。


Mは、あくまで朝鮮人。

それは韓国人でもなく北朝鮮人でもなく、朝鮮人。

どういうことか。

元々、韓国と北朝鮮は一つの国、朝鮮(korea)だった。

俺と同い年で在日の元世界チャンピオン、徳山選手もone korea(朝鮮統一)をフレーズにしてたね。

どういうことか。

日本で例えれば。

戦争の関係で、静岡辺りでぶった切られて、北日本と南日本に無理矢理分断させられたようなものだと。

そんな外国に勝手に北日本南日本と押し付けられたからといって、俺は北日本人ですとなるかと。

心は日本人だろうと。

・・そーいや俺も、母方の実家は和歌山で、和歌山は南日本ですから今日から行けませんって
言われても困る。大阪にだって友達はいる。

少なくともMはおじいさんの代から親父さん、自分に至るまで、そういう教育を受けてきた。

朝鮮は一つなんだと。


・・まぁ分かったから、じゃあおじいさんはどこから来たのと。

済州島(ちぇじゅとう)出身だと。

じゃあ韓国だろと。

心意気は分かったけど、国籍は一応韓国籍なんだろと。


いいや、違うと。

俺は、あくまで朝鮮人なんだと。

朝鮮国籍を実際に取得していると。


どういうことか。

国際的には全く公認されてないだろうけど、韓国でもなく北朝鮮でもない、朝鮮という国?政府?はあるんだと。

何ていうか分からないけど、その機関から朝鮮国籍としての身分証明書を発行してもらってると。

戦前の朝鮮のままの機関が存在するんだと。

だからMはパスポートもない。

国籍が朝鮮だから。

海外旅行する時はどうするのか。

正確な名前は忘れたが、「渡航許可願い」のようなものを、「朝鮮」政府から発行してもらうんだと。

もちろん大使館や領事館のようなものはないから、人づてでしか発行してもらえないと。

ただ、それがあれば海外に行って日本に戻ってくることは実際できるらしい。

でも、大きな問題が一つあり。

その一枚の紙をなくしてしまった場合。

大使館とかないから、誰も身分を証明してくれないし、助けてもくれない。

海外旅行は命がけなんだと。もしかしたら帰って来れなくなるかもしれないんだと。

普通の人は皆、国家によって守られているんだと。それはとてもありがたいものであり、安心できる
材料なんだと。

M達にはそれがないんだと。

それでも構わない、俺達は朝鮮人なんだと。そのプライドは忘れないと。

そもそも、アイデンティティーとは何か?出自とは何を持って言うのか?また言えるのか?
そもそも日本人とは何か?

なぜそういうものを突き詰めて考えたことがないんだと。

じゃあ逆に、なぜ自分は日本人だと言えるんだと。考えたことないんだろと。


・・・・まぁ、別に俺等普通の日本人はあんまり考えたことありませんよね。

俺もそうだけど。

別になに人とか人種とか、産まれた時から日本人で、それについて特に不自由も疑問もなく。

そしたら別に考えませんよね。

ただ、Mにとってそれは、ものすごく深く重要な問題だった。

日本で生まれ育ち、日本語しか読み書き会話ができないとしても、それでもなお。

祖父さんが済州島出身なので、今からでも韓国籍を取ろうと思えばいつでも取れる。

でも、M曰く、俺は韓国人じゃないと。

俺はあくまで朝鮮人であり、それが俺のアイデンティティーであると。

そのことに誇りを持っているし、不便なことや時には命がけなことになろうとも、
俺はそのポリシーを崩さないんだと。

だから俺はあえて韓国籍を取らずに、朝鮮国籍のままでいるんだと。

そういう人達が、ただ注目されたりメディアに出されたりしないだけで、日本全国に約200人くらいいると。

普段おとなしくて控え目な彼が、ものすごい説得力で皆に問いかけ、語るわけさ。


なるほどなぁ、そういう人達もいるんだなぁと俺は素直に思った。

普通に国籍があって、戸籍があって、てのは、それだけで安心できて幸せなことなんだなぁと。

・・・それが幸せと決め付けちゃ彼等に失礼か。


・・・でも、なんか印象的な話じゃね?

今でも朝鮮国籍を発行する機関があって、頑なに朝鮮人であると自らのアイデンティティーをそこに置く人達がいると。

ちょっと感動したよね俺は。




・・しかし、この話にはオチがあって。

前に、久々にMにあった。

俺はその話をした。

君の朝鮮人だという話は、ものすごく印象に残ってるよと。

まだそのまんまなんだろと。

Mは答えた。

「いや、韓国籍取った。結局何かと面倒が多くてさ」