亀海に、ジミンさんが指導してたメディシンボールを使ったトレーニングについて聞かれた。

youtubeで見たと。

懐かしい。

帝拳に来てから、ボール投げはウェイトで代用できると思い、やってなかったが。

足で挟んでボールを飛ばす動作が、体幹の動作にいいんじゃないかと。

体幹トレーニングのことは体幹の専門家に聞いた方がいいよと。


・・・しかし、亀海はよく研究してる。

今さらジミンさんのメディシンボールトレーニングについて突然聞かれるとは思いもしなかった。

ボクシングスタイルは全然違うけど、あいつも努力肌なんだよな。


スパーリングでも感じたことある。

亀海は、どこまでも実験に実験を重ね続ける。

スパーだったらやっぱ喰らったら痛いし、どうしても打とう打とう、相手を打ち負かそうとなっちゃうじゃんか。

そんなのお構いなしに、ひたすら自分の研究と実験を続けてるからね。

俺もスパーはかなり実験の場にするタイプだが、亀海はそれ以上だ。

「身体能力で秀でてないことに気付いてから、他で補おうと研究し続けた」と。


だから、ボクシングは面白い。

100m走だったら、足速いヤツには敵わないじゃんか。瞬発系の筋肉ね。

マラソンだったら、体力あるヤツの勝ちじゃんか。

もちろんそれぞれ研究の余地はたくさんあるんだろうけど。

ボクシングは、生存競争は激しいし厳しいんだけど、頂上へ辿り着くルートがたくさんある。

決して一本だけの道じゃない。

それが、ボクシングをやることの面白さの一つでもあるのだ。