【チョウ重大発表】です‼️

#ブログでの報告が遅くなりましたが💦


この度、ちょうちょの幼虫のある行動を✨🐛


✨〝世界初発見〟しました‼


そして、長い間実施していた共同研究を経て、論文掲載となりました🤠✌️


内容は、


これまで、アゲハチョウの仲間で知られている、幼虫が天敵などに襲われたときに、肉角(臭角)という、匂いのある角を出して威嚇する行動は知られていました。


海外では、ヨーロッパのモンシロチョウの幼虫が体から防御物質を出している事も調べられています。


しかし、それ以外の蝶の幼虫では、こう言った防御物質は見つかっていませんでした。


僕は、オオムラサキというちょうちょを毎年千頭以上、飼育しています。


その飼育作業をする過程で、ある事に気が付きました。


それが!


【幼虫が威嚇する時に口から匂いを出す】


と言う事です。

共同研究の、井上A.尚さんの解説です。


For English explanation, click here.


昨年、近畿大学の発表で、ゴマダラチョウの幼虫が頭にある角を使って、天撃を追い払っている。という研究発表があったのですが。


実は、この物理的な角の攻撃だけでなく、口臭という化学的な攻撃もしている!という新事実を発見したのです。


しかし、この目に見えない口臭を出す。という事を証明するのはアマチュアでは難しく、いろんな大学の先生にお話をしたのですが、なかなか一緒には研究をしてもらえませんでした。


そんな時、蝶の特にアゲハチョウ類の研究や香り物質の研究をされている〝井上 A.尚さん〟にお話をしたところ、それは凄い発見だ❗️と、一緒に研究をしてくださる事になりました。


そこで、幼虫が放つ匂い物質を取り込み、分析し、その結果に当てはまる試薬に対して、天敵がどの様な反応をするかを実験しました。


すると、主な天敵である、アリやハチが忌避反応をする事を確認しました。



さらに、オオムラサキ幼虫自身へも試したところ、匂いに反応し、同じく警戒する行動をしました。


こうした、ちょうちょの幼虫が〝匂いに反応する〟という事も、今回の新発見です。


更にさらに、近い種類のゴマダラチョウ、アカボシゴマダラ、コムラサキも同様に口臭を放つ事も確認し、研究しました。


今回の新発見は3つとなりました‼️


①【ちょうちょの幼虫が口から匂い物質を出す】


②【その物質が天敵への攻撃に役立っている】


③【ちょうちょの幼虫が食草以外の匂い物質に反応する】


僕のYouTubeはコチラ


🦋世界初発見‼️です🤠✌️

この研究を〝Chemoecology〟という化学生態学誌に論文掲載となりました。


論文はコチラ👇

タイトル: オオムラサキ(鱗翅目: タテハチョウ科: コムラサキ亜科)およびその3つの近縁種の幼虫は、アリやアシナガバチを撃退するために口臭を使用する

雑誌名: Chemoecology (化学生態学分野): Doi: 10.1007/s00049-023-00391-1

発行日: 2023-09-07

記事はオンラインで 

https://doi.org/10.1007/s00049-023-00391-1

から、またはPDFとして

https://link.springer.com/content/pdf/10.1007/s00049-023-00391-1.pdf

から入手できます。

#共同研究の井上さんが英語で論文を書いてくださりました


しかし、ちょうちょの幼虫の口臭という、人の役には立たない研究発表です(笑)


とはいえ、鱗翅目の業界にとって、この新しい発見が、今後の研究発展に繋がれば幸いです。


最後になりますが、この発見を信じて一緒に研究をしてくださった、井上さん初め、堀川さん、秋葉さん、﨡原さん、福田さん、に感謝申し上げます。


そして、この発見は、蝶の亡き師匠である秋山昭士さんの功績だとも思っています。


秋山さんが、当時、誰も出来ないと言われたオオムラサキの飼育に挑戦し、成功して、長年飼育を継続され、僕が出会い、弟子として学ばせて頂き、亡くなった後、橿原市昆虫館友の会の皆さんの協力もあり、師匠から受け継ぎ、今年で44年目の累代飼育(2024年現在)です。



秋山さんが居なかったら、この発見はできていませんでした。


なので、秋山さんの功績だと考えています。


師匠への感謝と恩返しとさせて頂きます。


そして今、この、蝶で生きていく!という前代未聞の僕の夢を支えてくださっている〝YouTube講演家の鴨頭 嘉人さん〟には感謝しきれません😭

ありがとうございます🙏


そして、いつも応援してくださっている皆さんへ、お礼申し上げます。


ありがとうございます。


今後とも、よろしくお願いします。


蝶たろう(林 太郎)