アカデミー賞の授賞式で、まさかのハプニングが起きました。
そのときのコトバがすばらしかったので。
もっとも注目される授賞式のフィナーレで、作品賞受賞作品は「ララランド」だと発表されたのですが、それはなんと、運営側の痛恨のミス。
本当は「ムーンライト」だったのです。
壇上ではララランドの関係者の喜びのスピーチが始まっていましたが、何やらスタッフがざわつき始めます。
何が起きたのか聞かされたララランドのプロヂューサー。彼の対応が、授賞式の場にふさわしく、素晴らしいものでした。
ララランドのプロデューサー、ジョーダン・ホロウィッズは素早くマイクの前に出ると、「間違いだったんだ。ムーンライトが受賞だよ。冗談なんかではないんだ」と発表します。
MCのジミー・キンメルが申し訳なさそうに、「ララランドにもトロフィーをあげられたらいいのに」と言うと、ジョーダンは嫌な顔ひとつしないまま言ったのがこのコトバです。
「このトロフィーを『ムーンライト』の友達に渡せるのは、すごく光栄なことだよ」
ムーンライト製作者と固くハグを交わし、トロフィーを手渡しました。会場は混乱に包まれながらも、もちろん拍手喝采です。
世界中がララランドを作品賞受賞の大本命として予想していた状況の中、数分の間に起こった悲劇に、ひどく取り乱してもおかしくないハプニングでした。しかし、ジョーダンは、本当に素晴らしいプロデューサーがどんな人であるのか、見事な伝え方によって一瞬にして世界中に教えてくれました。
伝え方賞があるなら、「ララランド」が
受賞と言えるでしょう。
お知らせ
５／２７（土）に『伝え方が９割』シリーズ１００万部を記念して講演があります。早割中。
https://www.ugokasu.co.jp/experience/