8月5日に開幕するリオ五輪まで、あと3日。

日本も、メダルを多くの人が期待しています。

ただ、面白いのが、過去のオリンピックでも、
同じ金メダルをとったのに、
記憶に残っている人と、そうでない人がいると思います。

その差は何でしょう。
ずばり、

それは、名言を言えたかどうか。

だと思います。
オリンピックというと、記録に目が行きますが、
このリオで、私は、
コトバに注目していきたいと思います。


前回のロンドン五輪で、
なんといっても記憶に色濃く残っているのは、
競泳、松田丈志選手のこのひとことではないでしょうか。




「康介さんを手ぶらで帰すわけにはいかない」



個人戦では、5位とメダル獲得ならなかった北島康介選手に、
団体戦では絶対に一緒にメダルと取って帰ってもらいたいと、
競泳の後輩3人が話し合って、心に堅く誓っていたというエピソード。

そして見事、団体戦で銀メダルを獲得し、
松田選手から発せられたこのコトバは、
ロンドンオリンピックの数々の感動シーンのなかでも
ひときわ感動を誘いました。


また、レスリングの吉田沙保里選手は、
五輪3連覇を達成し、このように語りました。


「北京からの4年間、いろんな事があって。
負けを知って、またまた強くなれたかなと思います。」




女子卓球の石川佳純選手が団体で銀メダルを獲得した時は、

「ここ最近は悔し涙ばかりだったので、五輪でうれし涙を流せてよかった。」

と、インタビューに応えていました。


このコトバたちが、我々の心に響いたのは、
もちろん、選手の皆さんの、競技にかける情熱、
それにかけてきた時間や、練習量があってこそだと思います。


その上で、
実は、今あげた心に残る名言には、他にも共通点があるんです。

それは、1つのセンテンスのなかに、
2つの正反対のコトバが隠れていることです。



「負けを知る」 ↔︎ 「強くなれる」

「悔し涙」 ↔︎ 「うれし涙」

「北島康介」 ↔︎ 「手ぶら」 ※これは変則的ですが



このような正反対のコトバの使い方は、
技術として、私たちも学ぶことができます。

「ギャップ法」

という伝え方の技術。
これは、伝説的な名言にも使われています。



「最高で金、最低でも金」(谷亮子/シドニーオリンピック)




つくり方としては、
ただ伝えたいことをそのまま言い放つのではなく、
あえて、正反対のコトバを入れるのです。

「最低でも金」

と言いたいなら、その反対の「最高」を入れる
ことで、オリンピック選手のような
天才でなくても、名言がつくれるのです。


全力で挑む選手を見ると
感動します。

そして、そんな彼らが
素敵なコトバを放つと、
感動は、倍増します。


記録だけでなく、記憶に残る選手になるには
「記録」だけでなく、「伝え方」が必要なのです。




今回のリオ五輪でも、
人生をかけた選手たちの
記録だけでなく、
想いのつまった名言の誕生が
今から楽しみでなりません。




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◯佐々木圭一
『伝え方が9割』ビジネス書年間1位 ※紀伊國屋書店新宿本店調べ
日本ビジネス書大賞総合順位1位/シリーズ85万部
日テレ『世界一受けたい授業』/TBS『ビビット』/
BS朝日『ポップメイカー』MC/雑誌 anan連載

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