佐々木秀実オフィシャルブログ「言わせてね!愛の言葉を」by Ameba-101001_1525~0001.jpg

草月の衣装合わせをしてきました。




デザイナーのケイコキシさんのデザインとアイディア、そして愛情込めて制作して下さるパタンナーのお二人に支えられて、衣装が出来てきます。




そう。まもなく東京のリサイタル。






今回は初の4日間公演。





演目や順序、プログラム、衣装と決まってくると、始まるんだ!…と身がピリッと引き締まってきます。





生の息づかいや衣擦れの音、一期一会の瞬間をきちんと伝えるのが、ライブの醍醐味であって、あぁ来て良かったなぁと感じて戴けることが何よりの目標です。





ふと、昔、内弟子をさせて戴いた能の先生・故、橋岡久馬先生が体を張って教えてくれたことを思い出します。





全身全霊を捧げるように演じ、かといって気負わず。





いつも、余裕な表情の楽屋での顔から、衣装をつけ、おもてをつけ、鏡に向かい舞台に上がるときに「お幕」という時の先生の声に卒倒しそうになったことがありました。




舞台に上がる一声と、一歩が、先生の命を極端に短くしてしまいそうな気迫に満ちていて。今生の別れのような苦しい気持ちで幕を上げたことがあります。





一歩を踏み出したら、もういつもの笑顔の先生ではなくて、別の者になっていて、それはそれはため息をつくほど優雅で、「先生はまたこの幕へ帰ってくるのだろうか。」と、不思議に思ったことがありました。





あの時の足袋の音と笛の音は一生忘れられないと思います。





優雅で哀しく美しいシテは帰ってきて、舞台を去り、またいつもの先生に戻ってきたのですが、それが夢のようでした。





舞台。というと、私にはどうしても、いつも、それが頭に浮かぶのです。





私は能ではなく、歌という道を選びましたが、そういう思いで舞台に向かいたい。と、いつも思うのです。





あの時、その気持ちを私に残して下さった先生のことを、舞台。とつぶやくといつも思います。





心に残る草月の「愛の短編集」にしたいです。





今日10月1日は、もう一つの私の誕生日になりました。





本日、オフィシャルファンクラブが発足。





とても嬉しい、もう一つの誕生日となりました。




楽しい企画や、会報には私も自ら編集に参加したいと思っています。共に同じ時を過ごせたら最高!!!



佐々木秀実