年金の繰下げ受給という制度をご存知ですか?
6月14日の日経夕刊から抜粋(会話調の記事です)します。
公的年金 丸わかり(4)原則65歳だけど 「70歳から受給」で42%増額
ここから
幸子 公的年金は原則65歳から受給するわけだけど、これを最長で70歳まで繰り下げられるの。この5年間は年金なしで生活しなければならないけど、その代わりに70歳から受給する年金は42%も増やしてもらえるのよ。受給開始を1カ月繰り下げるごとに年金を0.7%ずつ増額するルールなの。
良男 5年間、つまり60カ月の繰り下げで42%の増額か。それってお得なのかな?
幸子 単純計算だけど、70歳から繰り下げ受給する場合の年金総額が65歳からの受給を上回るのは、おおむね82歳からになるわね。
良男 要するに82歳まで生きてトントン、さらに長生きすればどんどんお得になるというわけか。2015年の日本人男性の平均寿命は80.79歳だからビミョーだけど、健康に自信があれば繰り下げてもいいな。
恵 同じく女性の平均寿命は87.05歳だから年金を増やすチャンスは大きそうね。繰り下げってかなりお得なのね。
幸子 そうね。だけど実は年金の繰り下げ受給をする人はとても少ないのよ。厚生労働省によると、2015年度の老齢基礎年金の受給者2974万人のうち、繰り下げ受給は38万人にとどまっているわ。
良男 たった1.3%か。
幸子 長生きできるかどうか分からないから、とりあえずもらっておきたいという心理が働くのかもね。年金は60歳から繰り上げ受給することもできるけど、実はこちらを選ぶ人のほうがずっと多く、397万人。繰り下げの約10倍ね。ただ、繰り上げは1カ月ごとに年金が0.5%減らされるから、5年の繰り上げで30%もの減額になることは覚えておいてね。
ここまで
この記事の解説は、こちらから(→ここ)。一緒に考えてみませんか?