8月9日の日経朝刊の社説から抜粋します。
違法な働かせ方を断つには
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月500時間以上の勤務や、仕事が多忙で2週間も家に帰れないなど、牛丼チェーン、すき家の異常な労働実態が第三者委員会の調査で明らかになった。
心身をむしばむ過重労働はすき家だけの問題ではない。
国が昨年、過酷な働かせ方で若者を「使い捨て」にしている疑いのある企業を重点的に監督指導した際には、事前に5111の事業所の情報が寄せられた。
働く環境の改善は急務だ。
企業に自覚を求めるのはもちろん、違法な働かせ方を取り締まる体制の強化も考えたい。
企業を監督指導する労働基準監督署は人員不足が指摘されている。
対策として、ハローワークの職業紹介業務の民間開放を進め、それに従事していた公務員を監督指導業務に振り向けるべきだとの意見もある。
検討に値する案だ。
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労働基準法違反などを行った企業を指導監督するのが、労働基準監督官です。
全国には、3,000人弱の労働基準監督官がいるとのこと。ただ、労働基準監督署に配置される労働基準監督官は約2,500名だそうです。
それに対して、全国に事業所数は400万強。
一人の労働基準監督官が担当する事業所は、1,600事業所。
これは、あまりにも多過ぎる感じがします。
こんな話をセミナーで聞いたことがあります。
「一番遵守されない法律が、労働基準法と道路交通法」だと…。
車の運転の場合、警察官が検問をしているとスピードを減速します。
警察官の検問と同様、労働基準監督官を増やして臨検すれば法違反も減るかもしれません。
ただし、労働基準監督官になるためには、一定の試験への合格が必要です。
ハローワークの職員を振り向けることが簡単にできるわけではないのでしょうが、数字を見ると何らかの措置の必要性を感じます。