ソニーが10年ぶりに人事・賃金制度を改革するそうです。内容は、「役割」に応じた制度への転換とのこと。
7月25日の日経朝刊から抜粋します。
ソニー、高コスト是正へ 10年ぶり賃金制度改革 20代を課長級に起用も
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ソニーは人事・賃金制度を10年ぶりに改革する。
役割に対する報酬をより明確に再定義した「ジョブグレード制度」を導入。
社員の処遇にメリハリをつける新制度の導入で、総人件費を抑えながら意欲の高い社員を登用する。
現行制度は過去の実績や将来への期待も含めて評価しており、結果として年功要素が残るのが課題だった。
新制度は年功要素を完全に廃し、「現在果たしている役割」にのみ着目し評価する。
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この「役割に応じて処遇する」という制度が流行っているような感じがします。
じゃぁ、「役割」って何?
簡単に言いますと、「その人の役職や仕事に求められるもの」が「役割」ということなのでしょうが、ちょっと曖昧な感じもします。
本来だと、アメリカのように「職務」に応じて処遇した方が分かりやすいのかもしれません。
ですが、職務に応じた処遇だと、一つひとつの職務に価値を付けなければならず面倒です。加えて、その人の職務が変わると職務の価値を再定義しなければならず、これまた手間がかかります。
言わば、「職務に応じて処遇する」ことは、ガチガチ過ぎて融通が利かない制度となりそうです。
「職務」と「役割」については「仕事基準の賃金制度」で、「年功」や「職能」などは「人基準の賃金制度」と言われています。
先述の通り「職務」はかなり細かい価値付けが必要ですが、「役割」はそこまで細かいものではなく「仕事」を広い概念でとらえた感じです。
パートタイマー、高年齢者の再雇用、有期雇用者の無期雇用転換、限定正社員など、社内にさまざまな雇用形態が増えつつあります。
これらの人と正社員を分け隔てなく処遇するのにもっとも納得性が高いのが、この「役割に応じた人事制度」と言われています。
私も少し研究を深めてみたいと考えています。