3月25日の日経朝刊から、会社の安全配慮義務に関する記事を抜粋します。


心の疾患、会社に配慮義務 「社員の申告なくとも」 

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会社員が過重労働で鬱病になった場合、過去の精神科通院歴などを会社側に申告していなかったことが社員側の過失に当たるかが争われた訴訟の上告審判決が24日、最高裁第2小法廷(鬼丸かおる裁判長)であった。同小法廷は「メンタルヘルスは申告がなくても(会社側に)安全配慮義務がある」と判断し、過失相殺などを理由に損害額の2割を減額した二審判決を破棄、審理を東京高裁に差し戻した。

会社側は、(1)精神科への通院歴などを申告しなかったため、会社側が鬱病の発症回避などの対応を取れなかった、(2)業務を離れても鬱病が完治せず、もともと労働者固有の問題があった――などと主張。労働者側の過失を理由に損害額を減額できるかが争点だった。

同小法廷は、労働者の当時の業務について「負担は相当過重だった」とした上で、通院歴や病名について「プライバシーに関わり人事考課にも影響しうる情報で、通常は知られずに働き続けようとする」と指摘した。

会社側について「労働者からの申告がなくても、労働環境などに十分な注意を払うべき安全配慮義務を負う」と判断。労働者が体調不良を上司に伝え、1週間以上の欠勤を繰り返していたことから「(会社側は)過重な業務と認識しうる状況だった」とした。

鬱病が完治しない状況についても「通常想定される以上の脆弱性があったとは言えない」と認定。賠償額を約690万円と算定した二審判決を破棄し、計算し直すため高裁に差し戻した。
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「労働者からの申告がなくても、労働環境などに十分な注意を払うべき安全配慮義務を負う」とのこと。
メンタルヘルスなどの外見からはなかなか分かり難い病気で、なおかつそれについての労働者からの申告がなくても、会社はそれを把握して、その労働者に対して必要に応じた配慮をしなければならない…簡単に言うと、こういうことですかね。


会社の中間管理職の方々は、部下に何か異変はないか、益々目を凝らしていかなければならなくなります。


では、どんな異変に気を付けなければならないのか…。
会社の総務や人事部門の人は、このあたりのことを中間管理職の人に教育をしなければならない…ということになるのでしょう。
すでに、そういう教育をやっている会社もなかにはあると思いますが…。