おはようございます。
今日も宜しくお願い致します。


昨日のエントリーで、名ばかり管理職のことを書きました。
思い出していただきたいのですが、「会社の管理職≠労働基準法の管理監督者」です。
会社の管理職だからと言って、労働基準法で定める労働時間、休憩および休日の規定が適用されないわけではありません。適用される管理職の方もいらっしゃいますよ、もちろん。


果たして、労働基準法の管理監督者となる人はどういう人でしょうか?
裁判例や行政解釈が出ていますが、分かりやすく言いますと、この三つのすべてを満たす人です。

1事業主の経営に関する決定に参画し、労務管理に関する指揮監督権限を認められていること
2自己の出退勤をはじめとする労働時間について裁量権を有していること
3一般の従業員に比しその地位と権限にふさわしい賃金(基本給、手当、賞与)上の処遇を与えられていること
~「労働法第10判 菅野和夫著」から抜粋


いろいろな観点から見なければならないですし、加えて程度問題でもありますが、
1については、部下に残業や休日出勤を命じる立場にあることは当然として、部下の人事考課権限を持っていることは必須でしょうね。「事業主の経営に関する決定に参画」なんてことが要件とされていますが、ここまで求められるとなかなか管理監督者にはなり得ないと思いませんか?
2については、その管理職の方がタイムカードで管理されている場合は、管理監督者性が無くなるでしょうね。5分遅刻したとして、5分の賃金をカットされていたら管理監督者とは言えないと思います。
3については、管理職になって残業代がつかなくなって、非管理職時代よりも給料が減ったなんて場合は、管理監督者とは言えないと思います。

もっと詳しくお知りになりたい方は、こちらのリーフレットでご確認ください。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/dl/kanri.pdf


これにより、世の中の管理職の方は、会社内の管理職という位置づけではあるものの、労働基準法で言うところの「管理監督者」ではない人もいるということがお分かりいただけたかと思いますが、いかがでしょうか?
ですから、会社の管理職の方でも、残業代を請求できる場合があるというわけです。


私ですか?
かつて、企業で管理職をしていましたが、いまになって考えてみると、どうみても「労働基準法の管理監督者」ではなかったとしみじみ思います(汗)。


そして、最後に…
管理監督者は、労働基準法で定める労働時間、休憩および休日の規定が適用されないと申しましたが、22時から翌5時までの間に働いた場合、深夜割増賃金(25%以上の割増)を支払わなければなりません。この部分だけは、管理監督者にも適用がありますのでご注意ください。


二日間、まどろっこしい説明にお付き合いくださいまして、ありがとうございました。
今日行けば、三連休という方が多いでしょうね。
今日も頑張って参りましょう!


(注)ご理解いただけるように分かりやすく書きました。さまざまな例外がありますので、その点はご理解くださいませ。