永遠の0(ゼロ) | こぶたのしっぽ
- 永遠の0 (ゼロ)/百田 尚樹

- ¥1,680
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「生きて妻のもとへ帰る」
日本軍敗戦濃厚のなか、生への執着を臆面なく口にし、仲間から「卑怯者」と
蔑まれた零戦パイロットがいた。
人生の目標を失いかけていた青年、佐伯健太郎とフリーライターの姉・慶子は、
太平洋戦争で戦死した祖父・宮部久蔵のことを調べ始める。
祖父の話は、特攻で死んだこと以外何も残されていなかった。
元・戦友たちの証言から浮かび上がってきた宮部の姿は、健太郎たちの予想をも
しないものだった。
凄腕を持ちながら、同時に異常なまでに死を恐れ、生に執着する戦闘機乗り、
それが祖父だった。
「生きて帰る」という妻との約束にこだわり続けた男は、なぜ特攻を志願したのか?
健太郎と慶子は、遂に封印された驚愕の真実にたどり着く。
これは素晴らしい本でした。
話としては、祖父がどういう人物だったのかを調べるために、孫にあたる健太郎と慶子が、
戦友を訪ねて、当時の祖父の話を聞き、その話を通して太平洋戦争のこと自体も
読んでいるこちらは詳しく知ることになる。
というかたちで進んで行きます。
最初は、戦争のエピソードが長いといいますか、何人もの戦友に話を聞くわけで、
これが続いていくのはちょっと辛いかな?と思った瞬間もありましたが、
いつしか戦争当時の、それこそドキュメンタリーとでもいうか、ノンフィクションでも
読んでいるかのようなリアルな戦争経験の話に、グイグイ引き込まれていきました。
戦争ってなんなんだ!?当時の日本という国はなんなんだ!?
という思いを抱くと同時に、実は根底の部分、本質的な部分というのはもしかして、
あまり変わっていないのかも?この国は。
という思いも一瞬よぎりました。
確かに今の時代は、戦闘機に乗って敵陣めがけて特攻、というものはないけれど、
国の持つ姿勢、というか根底に流れているものというものは表面に出てはいないけれど、
脈々と続いているのではないか、そんなことも感じました。
私はこの本を読んで、泣くまではいきませんでしたが、確かに感動はしました。
小説などは、一度読んだら読み返すほうではありませんが、この本は
いつかもう一度読み返してみたいなあと思う本でした。
いつの日か分かりませんが、いつの日か。
まだ読んでない人には、強くオススメします。
(あたまっち)

