崇徳伝説殺人事件 | こぶたのしっぽ

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崇徳伝説殺人事件 (中公文庫)/内田 康夫
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崇徳天皇に傾倒する男が経営する特別養護老人ホーム働く看護師・滋美。施設では入居者の不審な死が相次ぎ、滋美は内部告発の証拠となるフィルムをジャーナリスト渡そうとする。

だが、ちょっとした手違いから、取材で崇徳天皇ゆかりの神社を訪ねている浅見光彦に渡してしまい・・・。


浅見光彦シリーズです。


老人問題、福祉事業の暗部をさらりと織り交ぜて描いています。


確かに、老人ホームの中というのは実際、関係者以外は四六時中いるわけじゃないので、


中で何が行われているかというのは疑い始めればキリがないということはあるのかもしれません。


それに、そういう施設の経営者が必ずしも崇高な理念をもってそういう事業をしているとは限らない。


この作品はフィクションですが、確かに考えてみると利己的、儲け主義、施設の中の秘密主義、


そういうのがないとは言い切れないかもしれません。


この本を読んで、老人ホームに対する根拠のない先入観というのを自分が持っていたことに、ハッと気付かされた部分というのは、少なからずあります。


確かに、この本の内容はフィクションですが、絶対にありえないとは言い切れないことを描いています。


そういう意味では、読んで良かった、得るものがあったといえるかもしれません。