- それでもボクはやってない スタンダード・エディション
- ¥3,000
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レンタルする前に、テレビで放映されたので見ました。
面白いし、すごく見応えのある作品でした。
痴漢冤罪をテーマに、現在の司法制度、裁判のありかた、矛盾、さらには警察や検察などの取調べの姿勢までをも描いている映画です。
もし自分がこの立場になったら、いや、ある日突然この映画の主人公のようになる可能性は十分にあるのでは?と思わせるだけの恐さを、この映画を見て感じました。
一番驚いたのは、冷静にというか公正な判断をしそうになった裁判官が突然左遷されて、裁判官が交代し、裁判の流れが微妙に変わっていくところでした。
司法は独立してると、かすかに思っていたのですが、やはり権力よりなのかな?というのを思わせるエピソードは、淡々と描かれていますが、インパクトがありました。
裁判所は、真実を明らかにするところではなく、被告をとりあえず”無罪”か”有罪”か決めるところ。
最後に加瀬亮演じる主人公は言います。
この映画を見るとまさにそう思います。
ささいな事柄から自分の人生が一変していく恐ろしさ、そして同時にそれに対して救いの手段がない現実にたいして虚しい気持ちにもされられました。
加瀬亮が主役である被告を演じていますが、まさに加瀬亮じゃなければ成立しないのでは?というくらいの名演だと思いました。
脇を固める役者も、そうそうたる顔ぶれで、全編通して緊張感が張り詰めており、一時も目が離せませんでした。
この映画が、色々な賞を取ったのも納得できる気がしました。