無事に年が明けて2024年が始まった。
無事に・・・といって良いのかどうか、元旦から能登半島で東日本大震災並の地震があり、テレビでは地震警報の嵐。
そして2日には、羽田空港で着陸直後にJAL機が北陸に地震救援に向かう予定だった海保機と衝突し炎上・・・と今年は波乱の幕開けとなった。
そもそも辰年というのは、歴史的にも大きな変化のある年になると言われる。
特に政治的な変化や動乱がおこる場合が多いらしい。
2日に起きた羽田空港の事故では、海保機の5名が死亡したものの、JAL機の乗員乗客379名全員が生きて脱出できたという「羽田の奇跡」も起った。
大惨事を阻止できた秘訣として、「90秒ルール」という航空業界で採用されている「非常時に全ての乗客が90秒以内に脱出できるよう備えなければならない」というルールが注目されている。
JAL機の機長やCAがこの90秒ルールに従って冷静に迅速に行動できたことが多くの命を救ったと言えるだろう。
この「90秒ルール」も過去の飛行機事故の苦い経験から採用され、クルー達が厳しい訓練を繰り返し行ってきたからこそ、今回のようにいざというときにはそれが実行できたのであろう。
これがJAL機やANA機でなかったらどうなっていたかは分からない。
危機を回避して逃げるときに生死を分かつ迅速さの重要性と、それを実行することの難しさを思い知らされた。
北陸地方の地震に関する報道で印象的だったのは、エコーのように繰り返し聞こえる鬼気迫る「津波が来ます!今すぐ避難!」という絶叫に近いアナウンサーの警告だ。
なぜ、ここまで執拗にアナウンサーが避難を呼びかけ続けなければならなかったのか?
これも2011年に起きた3.11東日本大震災の時に逃げ遅れて多くの人が津波で命を落とすことになった苦い経験に基づいているようだ。
NHKには「命を守るための呼びかけ」という災害報道指針があるようで、①確実に伝わること ②行動を促すこと ③予断を与えないことと3本の軸を示し、特に「自分だけは大丈夫」と思い込みを打ち破るための報道についての記述があるとのこと。
この指針に基づいて震える声で避難を強く訴えたNHKの山内泉アナウンサーも話題になっている。
「テレビを見ずに、すぐに避難してください!」「立ち止まらず、振り返らずに、高いところへ早く避難してください!」「今すぐ避難! すぐに避難! 東日本大震災を思い出してください!」という切迫した感情がこもった避難警告は、被災地にいないひとにとっても恐れを十分に抱かせるものだった。
確かに、大げさなのでは?と思われる災害報道は多いが、その事、如何に多くの人たちが現場近くに居ながら、「自分だけは大丈夫だろうと思って避難せずに被害に遭ってしまう」ということを意味している。
自ら危機を察知して迅速に逃げることの難しさと、安全に逃がすことを要求されている人たちがそれを遂行することの難しさを同時に思い知らされた年初の出来事であり、このことが今年我々に与えてくれた教訓は重い。
JAL機の炎上事故に関しては、乗員乗客全員の命が守られたということが非常に大きく奇跡的だ。
一方、北陸の震災に関しては、被害の概要が見えてくるまででも数日かかっており、既に生存率が急激に低下するといわれる「72時間の壁」を超えてしまっている。
自然災害は予期することが難しいが、起らないと思っていた大地震が起きたときの衝撃と動揺は半端ではないだろう。
北陸地方は地震が少ないという印象が強く、特に富山県にはかつて私も住んでいたことがあるが、富山では地震はないものと思い込んでいた。
富山で地震が少ない理由~活断層はあるのに? 立山の地下には「何か」がある!~ - まっぷるトラベルガイド (mapple.net)
だが、過去に大地震がなかったわけではなく、20年以上前のレポートだが北陸の地震活動や巨大地震の可能性について警鐘を鳴らしているレポートもある。
さて、日本の経済や為替というものが今年どのようになるのか?
ハイパーインフレや、資産課税の導入、現金の引き出しや海外への流出を規制する(ドルを買えなくなる)資本規制のようなことがはたして起るのかどうか?
諸説あるにせよ、政治的側面で見ても、経済的な側面で見ても、軍事的(地政学的)な側面で見ても、危機と言えるものが我々日本人の目の前にあることは事実であり、その発生可能性はゼロでは無い。
ただ、いつ何が起るのか、どのようなレベルで起るのかがはっきりと分からないだけだ。
今回地震の被害に遭った北陸地方とは離れた日本のどこかに住んでいる人たちも、今回はなんの被害も無かったとしても、明日はどうなるか分からない。
私も、毎月飛行機に乗るが、今回の羽田の事故は衝撃的だった。
飛行機会社はクルーの訓練クオリティーの高いJALかANAしか乗りたくないし、できれば脱出可能性の高そうなファーストかビジネスクラスにだけに乗りたい。
日本という国が、何らかの意味で沈没する場合に、それは人災なのか天災なのかも分からないが、少なくとも、日本という国を司るクルーたる政治家や役人達は、その場合に全ての国民を今回のJALクルーのように救出することはできないだろう。
つまり、自分の身は自分で守らなければならないということだ。
あなたの大切な資産を、政府が推奨する国策商品であるiDeCoやNISAなどに入れておいても、それは自己責任であるとはっきり書かれており、その事によって国があなたの資産をを守ってくれるという保障はどこにもない。
日本でなければ、どこの国に疎開するのが良いかは何を優先するかによるだろうが、少なくともストックとして日本円建てで日本国内の金融機関やタンスにある現金資産に関しては、早めに海外できればタックスヘイブン(オフショア地域)にUSドル建てで疎開しておくことが賢明であり、それが可能なタイムリミットは今年いっぱいではないかと私は感じている。
その事と、NHKのアナウンサーが叫んでいた「今すぐ避難!」が私の中では被って聞こえた。
誰もが明白な危機を目の前にして迅速に避難するのであれば、あのような絶叫報道は必要ない。
多くの人が逃げないもしくは逃げれないという事実があるからに違いない。