昨年の時点で既に、日本の個人が保有するおよそ2,000兆円の金融資産のうち60歳以上の保有比率は60%を超えている。
これから先、10年を考えると、恐らく日本全体の金融資産の70%以上が60歳以上の保有する金融資産ということになるだろう。
内閣官房「新しい資本主義実現本部事務局」が平成4年の10月に公開している資料を見ると、金融資産の高齢者への傾斜度合いがよく分かる。
しかし、高齢者はどんどん死んでいくので、相続財産としてその金融資産は次世代に引き継がれるが、その多くは相続税として国に収められるの。
今50歳とか60歳くらいの人は、ざっくり30年くらいは生きるので、その老後の資金としてどんどんため込んで投資もせずほぼ現金で寝かしていた結果、大半が相続税として消える運命なのだ。
歳を取ると、消費欲求は薄れていく。
50代はまだ元気なので、お金に余裕がある人は、積極的に消費するかもしれないが、多くの50代はまだ現役でバリバリ働いており、時間に余裕がない。
また、会社員のひとは、この最後の10年にしっかり稼いでおかないと、引退後の生活には相当不安が残る。
世の中では、相変わらずパパ活が活発なようだが、パパ活は10代後半から20代前半までの女子が30代40代の男性と肉体関係を持ちお小遣いをもらうというようなシステムだと思われるが、30代40代の男性は50代60代と比べるとそれほどカネがあるわけではない。
どうせカネ目当てであれば、50代60代の金持ちのジジイから巻き上げればよい。
「頂き女子りりちゃん」がパパ活マニュアルを販売して詐欺幇助容疑でタイーホされる事件が昨年オあったが、頂いたカネの貢ぎ先であるホストまでが、その資金が詐欺的に得られたものだと知りながら受け取ったということで詐欺幇助の幇助?でタイーホされたのには少々驚いた。
現在の日本における、金融資産の高齢者への歪な片寄りと、その高齢者が老後のために消費せずにお金を貯め込んで動かさない状況を考えると、りりこの取った行動は経済的には日本のGDPに貢献したと考えられなくはない。
ホストに行ったカネがその後どうなったかは気になるが・・・。
どうやら市場ではパパ活からジジ活にトレンドは移行しているようだが、それは分からないでもない。
同様にママ活はババ活に移行していくに違いない。
いわゆる団塊の世代がすべて75歳以上の後期高齢者となる「2025年問題」というのがあるが、もうあとわずか1年くらい先の話であり、目前に迫っている超高齢化社会は、日本の社会経済に大きな変革をもたらすこととなるだろう。
医療や介護といった社会福祉のキャパシティーが破綻する問題や、その財源が枯渇するという近い将来必ず起こるであろう経済的な問題は、算数が理解できる人なら容易に想像できるはずだ。
この犠牲者は、現在のところ後期高齢者の子供もしくは孫の世代ということになる。
私は、来年60歳だが、この後期高齢者の子供にあたり、私の子供はまだ20代だが、後期高齢者の孫にあたる。
40代は、これから大量に発生する団塊世代の後期高齢者の子供世代であり、現在のパパ活・ママ活の対象者とされるが、どちらかと言えば今の20代と同じく搾取される側に位置しており、前述の通りカネはあまりない。
そう考えると、現在10代20代の団塊孫世代が、じじばばにあたる団塊世代からカネをむしり取る方法として、ジジ活/ババ活は極めて有効で合理的な手段だと言える。
そして私は明らかに搾取される側に位置している。
まあ、「ギバーおじ」というところか。
あえて受け入れようではないか、その虚しい現実というやつを(笑)