スマートな投資術のスマートな活用方法について | Mr.Gの気まぐれ投資コラム

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50代グダグダちょい悪おやじMr.Gの趣味と海外投資に関するコラムです。
香港を拠点に活動する個人投資家であり、自称「投資戦略予報士」Mr.Gがお伝えする海外投資の生情報。
ねだるな勝ち取れ、さすれば与えられん!

「きれいごと」の話で少し触れた「スマートな投資術」というものについて語っておきたい。

 

投資にきれいごとはないし、投資にきれいも汚いも無いと思うが、お金という価値の媒体物の取り扱いについて、きれいなお金の使い方やきれいなお金との付き合い方というのはあるかもしれない。

 

「えんとつ町のプペル」に出てくる腐る通貨(エル)のように価値が時間経過と共にどんどん無くなっていくようなお金であれば、誰もが腐って価値がなくなる前に稼いだカネはサクッと使ってしまうだろう。

 

「金払いの良さ」というのはある意味きれいなお金の使い方だと私は思う。

 

「金払いの悪さ」というのは、基本的にケチな奴ということなのだろうが、金払いの悪いケチな奴で、お金が無いならともかく、お金は有り余るほど持っているのにケチな奴というのは、お金の価値に依存する度合いが高く、お金を大切にしすぎているに違いない。

よく、金持ちほどケチだと言われるが、それは金持ちほどお金の大切さを知っているからだ。

 

金払いの悪さ=お金の価値が無くならない前提で、将来のことを考えて無駄遣いをしない=貯蓄や投資に積極的にお金を回す・・・ということになるが、そうすると投資というのは相対的に“きれいではない”お金の使い方とも言える。

 

投資は、自分が貨幣の価値の逓減(インフレ)を回避して資産の価値を維持しようとする行為であり、その心理的な背景に、賢い運用によって他人よりも儲けたいという射幸心があるとすると、まあ利己的でゲスい感じではある。

 

そう考えると、「きれいな投資」という表現には違和感があり、ないもののように思える。

しかし、ここで私が言いたい「スマートな投資」というのはきれいな投資とは異なる。

 

「スマートな投資術」とは、その名の通りスマート(賢い)投資手法で有り、洗練されて効率的でかつ賢明な投資手法ということになるだろう。

 

英語のsmart(スマート)には、頭の良い、賢い意外にも機敏なという意味もあり、同義語にはclever, intelligent, sharp, brilliant, wiseなどがある。

 

反義語には、dumb, stupid, idiotic, dull, unintelligent, senseless, foolishなどが有り、スマートな投資の逆は「アホな投資」ということになる。

 

「スマートな投資」とは、むしろアホな投資でも間抜けな投資でも意味の無い投資でもないものと考えた方がわかりやすいかもしれない。

 

世の中で、いかにも「スマートな投資」と見えるものの中にも、「意味の無いアホな投資」は多く存在するが、「アホな投資」にしか見えないものはが実は「スマートな投資」ということはまず無い。

 

マン島RL360のRSPやケイマン諸島のITAが提供するS&P500/MSCIインデックスやEVOLUTIONのような、クレジットカードで決済可能な海外のファンド積立プラットフォーム(Savings Plan)は、10年以上前に誰が言ったか忘れたが、確かに「スマートな投資プラットフォーム」だ。

 

ドルコスト平均法と、ポートフォリオ管理サービスの活用によって、局所的な運用のアップダウンに一喜一憂する必要が無く、ほったらかしで良いというのが主な理由だろう。

 

スマートでない投資方法の典型的なものは、運用やトレードの奴隷になってしまう場合だ。

ちょうどロシアのウクライナ侵攻によって、世界的に株式市場の暴落が起こっているが、トレードというものは、常にそういう変動のリスクに直面しており、神経を日々すり減らして勝負し続けなければならない。

株や、FX、仮想通貨にしても、一括資金を投入してトレードで稼ごうとするのは、投資の基本ではあるが、余りにもストレスが大きくスマートな投資術とは言えない。

 

昨今では、スマホのアプリ上で口座の管理を可能にしたモバイルバンキングに始まり、株やFXや仮想通貨のオンライン取引もアプリで行うことが一般化してきた。

 

そのような、最新のデジタルテクノロジーやAIを導入したポートフォリオ管理など、概ねスマホのアプリ内で投資が手軽にできるようなものを「スマートな投資」と勘違いしがちだが、そう見えてもそうとは限らないので注意が必要だ。

LINE証券の「ワンコイン投資」など良い例かもしれない。

 

 

 

「スマートな投資」を、よく宣伝されているように手数料が安く、少額から始められる手軽な投資や、アプリで完結するカッコイイ投資と勘違いしてしまうことがいちばんの問題だろう。

AIによる自動運用もこれからはますます普及していくのだろうが、システムによる自動運用というキャッチにも気をつけた方がよい。

その中身のアルゴリズムを理解することは、それを作ったひとでなければ難しいからだ。

ただでさえ形のない投資商品の運用の中身が常人には全く理解できないプログラムだった場合、AI運用とか、システム運用とか、完全自動と聞くといかにもスマートな感じがするが、理解できないような複雑なものも行き過ぎるとスマートではなくなってしまう。

 

特になんでもスマートにさらりとやってのける頭の良い「Z世代」の若者たちは、こういうものが投資のデフォルトだと思いがちな気がしている。

 

逆に、投資経験のあるリタイヤ世代や高齢者は、デジタル音痴でアプリへの順応性は極端に低い。

 

デジタルテクノロジーには、ある程度は順応できなければ、この先お金を使うことすらできなくなるかもしれないので、それはそれで投資以前の深刻な問題だ。

 

オフショアの投資プロバイダーの中には、国際的な商品の流通に関して果敢にIT化を進めているところもあり、ITA(インベスターズトラスト)やドミニオンキャピタルが提供しているような最新のオンラインプラットフォームは、見るからにスマートだが、残念ながらそれすら使いこなしている人は少ない。

 

金融系のオンラインプラットフォームで、最も進んでいるのは、実は中国の中国銀行(Bank of  China)のモバイルバンキングかもしれない。

 

それでも、使いやすさという点ではHSBCグループのモバイルバンキングが個人的には好きだ。

中国銀行のシステムはシステムが作り込まれすぎていてメニューが複雑で使いにくい感じがする。

 

デジタルテクノロジーに起因する「スマートな投資術」の基本を学ぶには、まずHSBCや中国銀行のインターネットバンキングとアプリ上のモバイルバンキングを完全に使いこなすことから始めるのも悪くはない。

 

そこにあるものは、既にある程度完成され、日々進化する生き物のような代物であり、それを知ることでモバイルバンキングプラットフォームの国際的なレベルを把握することができるだろう。

 

オフショアの積立プランを提供するプロバイダーが、必ずしも最新のデジタル技術を導入していないにも関わらず、それが「スマートな投資術」である所以は、以下のシンプルな理由からだ。

 

1)クレカによる決済が可能であり、外貨で資産の海外への移転が可能である。

2)単品購入するにはまとまった資金が必要なオフショアのマザーファンドに少額から投資可能である。

3)複数のファンドのポートフォリオを長期に渡って一元管理可能であり、組み替えが自由に行える。

4)資金の部分的な引き出しや積立の停止減額など資金の柔軟性がある。

5)IFAが提供するポートフォリオ管理サービスに依存することで、自分では何もしなくても良い。

 

これだけのスマートな投資プラットフォームが、実は20年以上前から日本居住者でも利用可能であったにも関わらず誰も知らなかったというのはとても残念な事実であり、今でも殆どの人が知らない。

 

今となっては、iDeCoや積立NISAも同じようなもんじゃないかと思うかもしれないが、iDeCoはクレカ払いがまだできないようだし、積立NISAはクレカ払いできるが、何れも金額の上限が低すぎて役に立たない。

 

しかも、最もスマートな部分と言える海外への物理的資産移転ができないし、ドル建てもできない。

 

スマートな投資術とは、みんなが誰でもやっている汎用型のプラットフォームを広告に踊らされて流行に乗っかって利用するものではなく、誰もしらないRL360のRSPのようなオフショアの積立プランをこっそりとずる賢く行うような手法であると私は思う。

 

かつては、オフショアで積立しているものは完全に無税であるというような誤解もあったかもしれないが、世界でCRSが普及した今となっては認識を改めなければならない。

 

それでも、運用期間中は利益が確定していないので税金の申告は必要なく、20年後30年後の満期時に確定した利益に関しては申告は必要だが、その時点で海外居住者であれば日本では申告する必要はない。

 

月に500ドル程度の積立を25年やった場合、元本は15万ドルで、複利で毎年10%の利回りが無ければ25年後であっても、国外財産調書の提出義務がある5000万円を超えることはない。

 

仮に、運用途上で時価が5000万円を超えることがあれば、国外財産調書は提出する義務が発生するが、その時点で満期や解約などによる確定利益がなければ課税対象となるものはない。

 

つまり、知らずにうっかり脱税をしてしまう可能性もほとんどないし、違法な脱税に利用することも基本的にはできない。

 

また業法的にも、買う側(契約者サイド)には日本で未登録の金融商品を契約することになんの違法性もない。

 

金融業法は、基本的に販売者や仲介業者が間違った売り方をしないための規制であり、間違った売り方をした業者は処罰の対象だが、だからといって顧客の被った投資の損失を埋めて貰えるわけではない。

 

オフショアの積立型投資商品は、このように極めて洗練されたスマートな投資プラットフォームであり、投資家にとってはクリーンな商品と言えるが、それを販売する業者サイドは、それがIFAであれ、日本国内の金融金融機関であれ、投資助言代理の資格を持った会社であれ、紹介者であれ、日本で未登録の金融商品に関する販売や勧誘という行為が日本居住者に対して何らかの形で行われていれば違法となる。

 

この金融業法による販売者に対する規制は、極めて有効な鎖国手段であり、「売れないものを買う人はいない」というマーケットの原則から考えて非常に効率的な外来種撲滅手法である。

 

くどいようだが、あなた方日本に住む日本居住者の方々は、海外に自由に投資する権利を持っている。

 

海外でしか入手できない国内未登録金融商品を自分で買うことに何の罪もない。

 

しかし、販売する人は違法なので、勧められた人から買えば、勧めた人が違法となり、違法な人から買ったことになる。

 

つまり、私のブログを読んで、私から買えば(私が売れば)私が違法となってしまう。

 

ありがたいことに、私のブログには売って欲しいという問い合わせはないし、買いたい人は問い合わせて欲しいとも謳ってないので、このブログはかろうじて合法性を保っている。

 

違法な人から買ったからといって、買った人が違法になるわけではないが、折角スマートな投資プラットフォームを手に入れるのに、違法な人から買ってしまうのはスマートではない。

 

私のブログを読んで、RL360のRSPやITAのEVOLUTIONなどを契約したいと思った人がいれば、お願いだから海外の正規取扱代理店(IFA)に直接問い合わせて、自分で勝手に買ってもらいたい。

 

それがスマートな投資プラットフームを入手する為の最もスマートな方法だと言えよう。