昨年末、弟子になりたいという方とお会いする機会があり、その会話の中で思うことがあったので記録しておきたいと思う。
正直なところ、私自身は「オフショア積立やオフショア生命保険といった具体的な商品の日本人への普及」という事に関して、20年近い啓蒙活動を主にこのブログで行ってきたが、海外(オフショア)の金融商品という業法的にも税法的にも微妙なエリアに関して、中立的な情報や意見を伝えて行くことにそろそろ限界を覚えていた。
しかし、弟子になりたいとわざわざ会いに来てくれて方は、私が書いてきたこのブログの記事に支えられているので是非書き続けて欲しいと言ってくれた。
それは、私が書いているようなその方にとっては中立的と感じられるコンテンツが他には見当たらないからだということだ。
正直悩むところだ・・・。
誰かの役に本当に立つのであればそれがモチベーションにならないわけでもない。
やや自虐的だが、私は自分が生きていて人の役に立っているという実感を得たことがない。
いつ天命を全うするかも知れないお袋は「あなたがいるから生きていられる」と言ってくれてはいるが、それすら自分にとってたったひとりの母親が、たとえ不自由でも生きていて欲しいという自分のエゴのようにも思え、たったひとりの母親がいなくなってしまうと自分が寂しいからに他ならない。
今では生産的と言えるような仕事を特にしているわけでもない。
海外の会社の役員や、株主ではあるが、たいした仕事はしていない。
ほぼほぼブログを書くだけのブロガー化している。
ブログを書いてもカネを貰えるわけではないので、職業ブロガーとも言えない。
ただ、このようなブログでも書いていてもし誰かの心の支えになるというのであれば、書き続けることで社会との接点を持つことにも繋がる。
自分の考えを言葉や文字にすることは大切な事だとは思う。
SNS時代になって、世界中どこにいても画像や動画でリアルタイムにコミュニケーションが可能になった今だからこそ、文字で文章を書くことはより重要なのかもしれない。
だから、取りあえず書こうとは思う。
できればもっと多くの人がコメントやメッセージで反応して欲しい。
自分の中で、真理を求めてきたいという探究心は遺伝的なものだとは思うが、これからも投資の世界にに限らず真実や真理を追究していきたい。
私の中で、仕事とかビジネスというのは闘いであり、たとえ超ニッチな世界であっても、そこでそれなりの成功を収めなければ意味がないし面白いと思ってやる気にもならない。
金額に関わらず、カネというものを投入して運用益や金利といった利益を求めてする投資という行動は、自分のなかでは仕事というポジションではない。
かといって趣味でもない。
趣味としては余りにも退屈で面白くないし、仕事としては自分自身が闘ってなさすぎる。
FIREを目指す若者たちが、投資を学びたい気持ちはわかるが、彼らが将来運用で食って行ける可能性よりも、政府がベーシックインカムを実現して働かなくても最低限食っていける世の中が実現する可能性の方が高いだろう。
今や、投資で食ってける人生はそれを目指すほど幸せな未来ではないし、実現可能性も低い。
投資で働いているのはカネだけであり、それはある種の物理現象というか、世界全体の経済規模が拡大し続けカネがどんどん増えていく中で、そのカネは運用によっては増えるかもしれないし、減るかもしれないというだけで、個人の努力や知識を投入する余地はあまりない気がする。
しかも、そのような分析もいずれはAIによる自動運用が一般的になり、人間の脳が活躍するエリアはより少なくなるだろう。
投資の運用やアドバイスや流通といった金融業は仕事として成り立つが、その中でいちばん儲かるのは、今までもこれからも仕入れ原価のない金融商品の流通であり、その流通システム下で投資商品や保険を購入する投資家の大半は単に搾取されるだけで儲からない。
このブログはあまりにも多くの方に見て頂いており、純粋に海外投資をやっておられる方やこれから始めようかと迷っておられる方々のみならず、IFA、紹介者といった業界関係者、税務署、国税、金融庁など規制当局の方々に至るまで意図せずいろんな方に読まれているようで、それを意識して書ける内容というのは既に相当限定されているし、業界内で「そういうことは書くな!」といった圧力を受けることも少なからずある。
あくまで可能性ではあるが、アニメや趣味の話などはともかく、海外投資や投資商品に関わる情報に関しては全てアメンバー限定にするかもしれないし、一旦記事を取り下げて有料化の方向を検討するかもしれないがご了承いただきたい。
私は余りにも多くの情報を持ちすぎており、その中には投資家である顧客にとっては有益なものが含まれるが、投資家にとって有益な事実ほど、業界にとっては不利益であったり、規制当局にとっても都合の悪いことが多い。
そういうしがらみに囚われず、自由に情報発信できなければこのブログに意味はないと思っている。
ネット上の情報は主に無料であり、基本誰でも閲覧できるところに読者側のメリットがあるわけだが、誰が読んでそれをどのように捉えるかがわからないところが発信側のリスクだ。
私は、自分のポリシーでなるべく中立的な意見と事実に限りなく近い情報を提供するべく努めてきたことは確かだが、例えばフレンズプロビデントやRL360やITAやサンライフが良いと言っている時点で既に中立的とは言えない。
IFAや紹介者に関しても、どのIFAが良いか?どの紹介者なら信用できるか?という問いに関しては、結局どのIFAも似たり寄ったりだし、長期に渡って依存できる個人の紹介者など誰も居ないだろう。
どのIFAが良いか?その情報をくれた紹介者は信用に値するのか?という判断は難しい。
私は行きがかり上、香港の特定のIFAと20年近い付き合いがあるものの、振り返ってみるとその会社の社長と直接の人間関係があるからに過ぎない。
良いところも悪いところもわかって付き合っているのだ。
一般の方が、そのレベルでIFAを評価したり選んだりすることは不可能に近いだろう。
香港のIFAはIAやSFCといった金融庁のような政府管轄機関の厳しいコンプライアンス管理と監査に常にさらされており、いい加減なビジネスを行っているとライセンスの取り消しなど厳しいペナルティーが待っている。
一見当たりの良い、もしくは評判の良いIFAだからといって、そこが安心である保証はどこにもない。
日本でより多くの紹介者が勧めるIFAは、それだけコンプライアンス上のリスクに直面しているとも言える。
このように流通に関しては、どのIFAがオススメということは出来ないが、自分で連絡を取って考えた方が良いというのが最も中立的な意見と思える。
基本的に、自分で海外のIFAに直接連絡も出来ないような人がこのようなオフショアの金融商品に手を出すべきではないだろう。
世の中はそんなに甘くはない。
もし国内投資派と海外投資派という宗派があるとすれば、私は海外投資派であり=アンチ国内投資派という立場にあることは間違いなく、投資市場全般において中立的立場とは言いがたい。
誤解のないように言っておくと、おこがましくも金融庁やその規制下の国内金融機関に真っ向から刃向かおうというものではなく、車で言えば今やトレンドのEVやハイブリッド車や自動運転の車には乗りたくないというような個人の嗜好性の問題に過ぎない。
その偏った嗜好性のなかで、「国内の規制下にない海外投資を推奨する立場」で極力中立的意見や事実に近い情報を伝えようと模索しているだけだ。
さらに、資産の海外移転だけでなく、最終的には物理的な海外移住も視野に入れるべきだと考えている海外移住推進派でもある。
アンチ国内投資派であるということは、ちゃんと国内の金融業法に則って認可登録された金融商品を合法的に販売している全ての国内金融機関の敵と見做され、日本政府の方針や国策に反するアウトローという風に思われるかもしれないが、私は間違いなく日本という国の愛国者だと自負している。
確かに、私の思想の根底には常に「弱者の生き残り戦略」というものがあり、その為の手段として最良の方法と最強のツールを模索し続けたいという部分は今後も崩れることはたぶんない。
しかしながら、生き残りの為の本物の情報を発信するということは簡単ではない。
特に、もし私の他に私の意見に共感し、同様なポリシーを持った発信者が居ないとすれば尚更だ。
発信することが、自分にとってリスクを超えるメリットが無ければ誰も他人にとって有益な情報をタダで発信などしない。
もし、このような情報を私に発信し続けて欲しいと思ってくれるなら、私から受け取った情報をコピペしてでも拡散して欲しい。リブログして頂いても構わない。
多くの不特定多数の情報発信者が居る方がリスクは分散されるからだ。
特に金融業界という無形物流通業においては、基本的に売ったものだけが儲かるという海千山千のコミッションハンターたちが競合する社会であり、天才的な営業マンや詐欺師の独壇場と化している。
つまり、「情報の非対称性」が顕著な金融市場において、情報は圧倒的にセラーサイドに有利に働くということだ。
また、20年前から感じていたことだが、製造メーカー出身の私の目から見て、日本に限らず世の中の金融業界というのは顧客目線というものが完全に欠如しており、基本は売ったもの勝ち売り逃げ万歳が常識化している。
金融商品という形の無い投資ツールの販売は、日本の場合は、国の規制でがんじがらめになっており、国とその規制下の金融機関が、国民望まれて必要なものを提供しているのではなく、国の政策に沿って提供可能なものだけを買わせる仕組みを金融業界全体が作り上げ、結果として顧客に必要の無いものや役に立たないものばかりが流通している。
この仕組みは、医療業界とも似ている。
本当に効果のある、患者の望む治療や薬やワクチンが必ずしも提供されるのではなく、厚労省の認可を受けた治療のみが、医療機関を通じて提供可能な治療の選択肢となっている。
いくら患者が望んでも、医師が安楽死を提供したら犯罪者になってしまうが、家族による延命措置の拒否は出来る。
政府主導で金融機関をコントロールし、低金利ローンでマイホームを買わせまくる不動産業界もしかりで、本当に必要で有益なものは政府の国策下では国民に提供されることはない。
これらは全て顧客よりも提供者が持っている情報量が圧倒的に多い「情報の非対称性」を悪用したある種の詐欺行為だと言えなくもない。
そんな中、一般庶民でも契約が可能なオフショア(タックスヘイブン)籍の金融商品というものの存在は、たとえそれがあなたを、確実に儲けさせるものではないにしても、存在していて契約可能なだけで奇跡に近いラッキーだと言っておこう。
特に、毎月数万円という少額から積立が可能なRL360やITAといったオフショアセービングプラン(オフショア積立年金プラン)や1,000万円程度の確定死亡保障を安価に購入可能なサンライフ香港が提供する終身型生命保険(ホールライフ型生命保険)のような商品は、収入のある日本国民数千万人が皆契約しても良いくらいのものだと思うが、金融商品は国内の利権商品なのでそう簡単にはいかない。
また、香港に行ってHSBCの口座を開設するといった「海外の銀行口座開設」についても、ひとつくらいは海外の銀行口座を保有して、インターネットバンキングを使いこなし、多少の英語力を駆使してそれを維持できるくらいのリテラシーがなければこれからを生きていくことは難しいとも思う。
しかし、積立、生命保険、銀行口座というたった3つのことですら、宣伝されていない怪しい海外の金融商品など契約しようとする人は殆ど居らず、海外の銀行口座開設も誰かの助け無しには出来ず、折角口座開設をしても維持できなくて休眠になる始末だ。
この20年を振り返ってみても、タックスヘイブンの金融商品/銀行口座/オフショア法人などをちゃんと活用できた日本人は結果としてあまり居ないだろうと思われる。
10年程前に流行った、ピクテ、クレディ・スイス、UBSなどスイスのプライベートバンクの口座も同様に、CRSの徹底によってプライベートバンクの本来の守秘性も失われたし、結局数億円程度の資産ではプライベートバンクにとっては小物扱いなので、折角口座を開設しても十分に活用できないケースが多かったのではないかと思う。
基本的に日本人の金融リテラシーの低さや、海外アレルギーは絶望的であり、もはや次世代に期待するほかない。
FATCAやFATF、CRSなど、世界的にマネーロンダリングや脱税を規制する動きが強まった今、この先の20年は今までの20年とは比べものにならないほどタックスヘイブンの活用は難しいものとなる。
生半可な知識で手を出してしまうと、業法違反やマネロン疑惑、脱税など多くの障壁にぶつかることだろう。
その結果、トラブルも増加し、新たに始めようという人も少なくなるという悪循環に陥る。
今までは適当な知識である程度対処できたものが、今後はより専門性の高い本物のスペシャリストが居なければお手上げになるということは間違いない。
残念ながら、私の目から見ても日本国内でタックスヘイブン関係の本物のスペシャリストを見つけ出すことは容易ではない。
「君子危うきに近寄らず」ということだろう。
特に、2008~2012年頃のフレンズプロビデント積立ブームに始まった事だが、MLM(ネットワークビジネス)の商材として金融業界の素人たちが乱売した契約は、既に10年が経過しており、当時出回っていたエクセルの年10%以上の複利シミュレーションで描かれた夢は既に崩壊している。
そのようなシミュレーションの使用は、プロバイダーやIFAが推奨したり強要したりしたものではなく、誰かが勝手に作成したものだが、極めて有効に機能したようだ。
その当時も業法的な問題は存在し、いくつかの投資助言代理の資格を持った会社が金融庁からペナルティーをうけて業無停止になったりしていたが、10年前のメインプレイヤーの生き残りは殆どおらず、その責任を今更問うことも出来ない。
今では、そういった状況を悪用した「解約サービス」や「IFA移管のオススメ」というビジネスまで幅をきかせる始末だ。
現在においても、RL360やITAの積立商品は似たような方法で流通しており、その事実もネット上では暴かれているし、その事がアンチを生み出す原因ともなっている。
この「高度な専門性の欠如」という問題は、今に始まった話ではないが、繰り返しこのブログでも指摘しているとおり、オフショアの金融商品を日本国内で販売するということは、麻薬の売人と同じような犯罪行為であり、まともな人間が長期に渡って取り組む課題ではないからに他ならない。
私のように、20年近くもこのような業界に関わってきた者が、「まともな人間ではない」と思われても仕方がない。
そして、これから先情報を発信し続ける限り、まともな人間ではないと思われ続けるのかもしれないと思うと、やる気が失せてしまう。
これからは、書き続けるにしても商品の情報というよりは自分の考えというものにフォーカスして、場合によっては中立的であろうとする呪縛を解いてでも自由に書いていきたいと思う。
商品については取り扱いIFAのアドバイザーに直接聞いてもらうのがいちばん良いし、税務や業法に関しては、専門の税理士や弁護士に相談すべきものだ。
その前提で、個別に相談のある方はメッセージを送ってもらいたい。