スカイプレミアムの闇 | Mr.Gの気まぐれ投資コラム

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50代グダグダちょい悪おやじMr.Gの趣味と海外投資に関するコラムです。
香港を拠点に活動する個人投資家であり、自称「投資戦略予報士」Mr.Gがお伝えする海外投資の生情報。
ねだるな勝ち取れ、さすれば与えられん!


 

証券取引等監視委員会は17日、シンガポールの法人「スカイ・プレミアム・インターナショナル」が、無登録で投資を仲介しているなどとして、同社と東京都内にある拠点の営業統括責任者に対し、仲介などの差し止め命令を出すよう東京地裁に申し立てた。 同社側は監視委に対し、日本国内で平成23年ごろ以降、約2万2千人の一般投資家から約1200億円を集金し、うち約500億円は返金したと説明。これまで返金がないなどの被害は確認されていないが、運用や管理の実態が不透明という。無登録業者に対する申し立てでは過去最大規模。 監視委によると、同社は無登録のまま国内のエージェント約500人を介し、投資商品「ライオンプレミアム」を勧誘。外国為替証拠金取引(FX取引)で運用し、利率は月間約1・5~2・5%と称していた。ただ、集めた資金の送金先としていたチェコスロバキアの銀行に口座はなく、実際にFX取引が行われているかどうかも確認できなかったという。(9/17 産経新聞 yahoo newsより)

 

遂にというか、この手のポンジっぽい案件では8年という最長期間配当を出し続けて実質上は破綻しなかったスカイプレミアム(ライオンプレミアム)に金融庁(証券取引等監視委員会)のメスが入った。

 

8年というライオンプレミアムが配当を出し続けてきた期間は、私の知っている限りではポンジスキーム生き残り最長記録であり、ギネス記録(もしそんなカテゴリーがあれは)に該当すると思われる。

 

投資家数22,000人、募集金額1,200億円、関係エージェント数500人という数字も歴史に残る規模であることは間違いない。

 

金融商品取引法上の無登録業者による金融商品の仲介や斡旋という法令違反の事実に基づいて、SESC(証券取引等監視委員会)が東京地裁に仲介などの業務差し止め命令を出すよう申し立てたとあるが、どうも腑に落ちない点はある。

 

何年も前から、このスカイプレミアムは危ないという意見は多く、私も友人でやっている人に対してはそろそろ引き上げた方が良いと勧めていたが、おそらく今回の証券取引等監視委員会による申し立てが行われる直前までは配当が出ていたのではないかと想像する。

 

一般的に、このような事態は、配当が止まってから投資家の訴えによって金融庁がアクションを起こすという順番のはずだが、今回はどうも異なるようだ。

 

そうでない場合、内部の告発者による情報提供という可能性ももちろんあるが、それも内部の特定の関係者がよほど理不尽な目に遭わされて恨んでいたなどの理由がなければ起こりえない。

 

関係者にとっては、スカイプレミアムが破綻した場合には自分にもなにがしかの被害が及ぶ可能性があり、それだけのリスクを背負って正義の告発をする理由は見当たらない。

 

今回の摘発によって、結果としてスカイプレミアムは破綻に追い込まれる気がするが、それによって投資家の資金が帰って来るというわけではない。

 

うがった見方をすれば、いずれは破綻するしかなかったであろうスカイプレミアムに破綻のきっかけを金融庁がわざわざ提供した結果になる可能性もある。

 

いずれにしても、腑に落ちないのは金融庁がなぜこのタイミングでこのような巨大な案件をこのようなしょぼい潰し方でメスを入れたのか?という点だ。

 

スカイプレミアムには、単なるポンジスキーム案件という要素を超えた計り知れない闇があったように思われる。

投資していた人は、残念だが元本の回収はあきらめて忘れるしかない。

私は、もう個人的興味でこの案件を掘り下げることはしない。

 

単なる想像だが、もしかすると、時を同じくして報道された「綾瀬はるかさんのお母さんが1億円を騙された事件」とスカイプレミアムは関係していたとしてもおかしくはない。

 

綾瀬はるかさんのお母さんが騙された事件の報道では、なぜか案件の詳細が全く掴めず、月利2~4%の案件で5月に配当が止まっているということしかわからない。

 

これも腑に落ちないというか、おそらく報道規制が引かれているものと思われる。

 

国民的女優が巻き込まれた案件となれば、芸能界も政府も黙ってはおれない。

いろいろややこしい輩が動き出してもおかしくはない。

 

スカイプレミアム自体が裏社会のしのぎになっていたという噂もあり、政府としては投資家のカネの回収などどうでも良く、スカイプレミアム自体を抹消したかったのかもしれないが、真相は藪の中だ。

 

以下のリンクは、金融庁のHP上に公開されている正式な申し立て内容だが、私のなかで最も気になるのは、スカイプレミアムではRL360やPA(プレミアトラスト)、Cornhill(コーンヒル)などの積立商品が抱き合わせで紹介されていたという事実で、PAやコーンヒルはどうでもよいが、RL360の看板にこれ以上傷か付くのはいただけない。

 

公開資料では、これらの仲介をしたシンガポールのアミチ社というIFAの名前は挙がっていないが、スカイプレミアムの仲介にはアミチ社は全く関与していなかったからだと思われる。

 

しかしながら、RL360、プレミアトラスト、コーンヒルなどの勧誘を行っていたのは、500人は居るというスカイプレミアムのエージェント達であり、仲介をしていたのシンガポールのアミチ社であるとすれば、スカイプレミアム同様に未登録業者による仲介の停止命令の対象にはシンガポールのアミチ社も含まれるはずだ。

 

SKY PREMIUM INTERNATIONAL PTE. LTD.及びその役員1名による金融商品取引法違反行為に係る裁判所への禁止及び停止命令発出の申立てについて (fsa.go.jp)

 

当社らは、金商法第29条所定の登録を受けずに、国内の一般投資家に対しエージェント約500人を介して、投資セミナーを開催するなどして、当社会員のみ契約可能な取扱商品である「LION PREMIUM※」(投資一任契約に基づく投資運用に該当する海外投資商品、以下「ライオンプレミアム」という。)について取得勧誘を行い、その後も申込書等の記載方法を助言・指示するなどして、当該商品につき顧客とThink Smart Trading社(当該商品に係る運用指示を行っているとされる主体。法人格の有無、実在性及び実態不明)との間の投資一任契約の締結の媒介を行っている。

 

 当社ら(当社の前身であるNSC PLANNING株式会社を含む。)は、ライオンプレミアムの前身の商品である「SAMURAI SYSTEM(サムライシステム)」や「Lion(ライオン)」の取得勧誘等を併せ、長期間にわたり投資一任契約の締結の媒介を行っている。

 当社らの説明によれば、これまでに約2万2,000人の一般投資家(会員)に対して当該商品(前身の商品を含む。)の契約締結をさせており(現時点で投資残高を保有している人数は不明)、当該契約に基づく一般投資家からの投資総額は、これまでに約1,200億円(これまでに約500億円は投資家に対して返金等したとしているが、預かり資産残高額は不明)であるとしている。

 

 当社らの上記行為は、いずれも金商法第28条第3項第2号に規定する「投資助言・代理業」に該当し、無登録でこれを行うことは、同法第29条に違反するものである。

 

 当社らは、上記金商法違反行為を今後も行う蓋然性が高いことから、これを可及的速やかに禁止・停止させる必要がある。

 

当社らは、当社ウェブサイト上で、「ライオンプレミアム」以外にも、RL360社、Premier Trust社、Cornhill Management社の海外投資積立商品を案内していますが、いずれにしても当社らは、登録を受けた業者ではありません。