香港HSBCの口座をお持ちの方のところへ届いている課税居住国申請の手紙やメールに関して、課税居住国の確定期限が10月15日に迫っていることから、どうするべきか今になってあたふたしている方が多いように見受けられます。
先日NHKでCRSに基づく海外預金口座の国家間情報交換が始まることについてのニュースが流れたりして、より不安感が煽られているのかもしれません。
ちなみに以下のNHK WEBリンク先でニュースの内容が先週まで見れたのですが見れなくなりました(T_T)
なぜ削除されたのか気持ち悪いです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180929/k10011649901000.html
代わりにテレビを撮影した動画をアップしておきます。
これを見て動揺する必要はありません(笑)
このニュースに出ていた国際税理士の予測では、日本居住者の方で、海外に5,000万円以上の資産を持っているひとの中で海外財産調書を提出しているひとは僅か10%とらしいです。
おととしはおよそ9100件、総額およそ3兆3000億円の申告があったということなので、実際にはその10倍の30兆円くらいは海外にあるのかもしれません。
どうも私の印象では、この海外の金融機関からの課税居住国の問い合わせに対して動揺して居るひとの大半はこの5,000万円以上の海外資産を隠し持っている人たちではないような気がしています。
5,000万円どころか、1,000万円もない人たちがあたふたしている感じがします。
NHKのニュース番組内で、国税庁が入手するCRSの情報交換データベースらしきもののサンプル画面が公開されていましたが、どういうデータがどんな形で共有されるのかリアルにイメージできて興味深かったです。
ただし、リアルデータがあのような形で共有されるのかどうかは疑わしい部分もあります。
セキュリティー上の問題がありそうです。
もし、本当にこのような形で名前、生年月日、口座番号、残高、タックスID(もしくはパスポート番号)というデータが強固なセキュリティーシステムに守られてすべて共有化されるとして、日本居住者の方で日本が課税居住国と銀行に認定された場合には、5,000万円以上の無申告海外資産がある場合には言い逃れのしようがないでしょう。
仮に、タックスIDたるマイナンバーを提出していなかったとしても、パスポート番号を出されたらアウトです。
一番の問題はセキュリティーだと思いますが、仮にその問題が無いにしても、データー量は膨大ですので、金額の大きいものから順番に洗っていくことになるでしょう。
まずは10億円超え、次に1億円超え、5,000万円超えと大きいものから順番にデーターを掘り下げて調査するのが筋でしょうが、もしこの論理で未申告の巨額な海外資産を国税庁が洗い出していったら、相当国にとって都合の悪いことになりそうな気がします。
名前が挙がってくるとまずい人たち・・・政治家や大手企業のオーナーなど著名人が挙がってきそうです。
これは、海外、特にアメリカの巨額な保障のついた生命保険に加入している保険業法違反の人たちと同じような状況と言えます。
もしかすると、芸能人などで見せしめにしても良いような著名人が挙げられることはあるかもしれませんが、国家の政治や経済に大きく関わっているような人たちを吊し上げることはまず無いでしょう。
では、5,000万円にも満たない、場合によっては数百万円の資産を無申告で海外に保有しているひとがこのことで脱税の罪に問われるかどうかという点については、可能性はあるものの非常に疑わしいと言わざるを得ません。
いずれにしても、CRSによる情報交換は始まることになっていますので、何か結果は出てくることでしょう。
今の時点では、HSBC香港など、海外の銀行や、フレンズプロビデント、RL360、ITA、Sun Lifeなど、タックスヘイブンの保険外会社からの課税居住国の確認とタックスIDの要求に関しては、対応しようが無視しようが、結果はさほど変わらないような気がします。
対応せずに無視しても、金融機関側は課税居住国を自動的に保有している情報を元に決定しますので、その情報はもし共有化されるならばパスポートの発行国とパーマネントアドレス(永住住所)が同じであればその国も税務当局に公開されることになるはずです。
もし、海外の居住住所、永住権、パスポートなどを持っている日本人の場合には、その国のタックスIDを取得して申告しておいた方が良いでしょう。