マン島のロイヤルロンドン(RL360)が提供するQuantumやケイマン島のインベスターズトラストが提供するエボリューションやS&P500インデックス15年などが現在誰かに勧められるメジャーなオフショア積立プランですが、香港籍のサンライフ(SunLife)はサン・アーキテクト(SunArchitect)、アジアス香港はオスカー(Oscar)という105型のILAS商品を昨年末に上市していますので、香港に行ったときに現地でIFAに加入を勧められる商品として出てくることがあるでしょう。
コーンヒル(Cornhill)やメティス・グローバル(Metis Global)といった商品が勧められる場合も僅かながらあるとは思いますが、特定のIFAでしか取り扱いのないホワイトレーベル的商品であるところから、個人的にはあまりお勧めはしません。
昨年から、相当な数のマルチ的紹介者が増えたせいもあって、インベスターズ****の商品普及率は相当上がってきました。
マン島籍のフレンズプロビデント(Friends Provident)が2012年の8月に日本居住者の受け入れを停止して以来、2013年には同じマン島のハンサード(Hansard)、ロイヤルロンドン(RL360)、香港籍のスタンダードライフ(Standard Life)、アジアス(ageas)などが混在する戦国時代に突入しましたが、2013年にはハンサード(Hansard)も日本居住者の新規受け入れ停止。2014年いっぱいで、香港籍のスタンダードライフ(Standard Life)、アジアス(ageas)、サンライフ(SunLife)などが提供していた101型商品(ILAS商品)が全て打ち切りになり、実質上ロイヤルロンドン(RL360)とインベスターズ****の一騎打ち状態になったのが昨年の話しです。
フレンズプロビデントやハンサードが、日本で正式に認可(登録)を受けて、日本の金融庁管轄で有資格業者によって販売されるという話しもありますが、正直そんなものをいったい誰が買うんだろう?と思うと同時に、既存の証券会社など金融商品取引業者がはたしてそのような商品を積極的に販売するのだろうかという大きな疑問は残ります。
たとえそのようなことが実現しても、今更フレンズプロビデントやハンサードのCR(Capital Redemption)商品を金融庁管轄下で購入する魅力はほぼ無いと考えても良いでしょう。
一方、結果として残された「オフショア積立プラン」の選択肢となった、ロイヤルロンドンとインベスターズ****は、今年の新規契約からマイナンバーの提示を義務づけてきました。
日本居住者の場合、タックスIDとしてマイナンバーの提示無くして契約はできません。
インベスターズ***の場合、今年から今まで通りのケイマン諸島で発行される証券に加えて、米国デラウェアで発行される証券を選択するオプションが加わるらしく、デラウェア証券を選択する場合には、マイナンバーの提示は必要無いようです。
今のところ、いつからデラウェア証券が選択できるようになるかはまだわかりません。
アジアス、サンライフなどが提供する香港籍の新105プランも、現在の所マイナンバーの提示は求められていません。
これは、OECDが中心となって普及しているCRS(The Common Reporting Standard)によって、世界中の金融機関にある資産が、租税居住国のタックスIDによって紐付きになり、情報が共有される動きの中で起こっていることです。
香港と日本でこのCRSが導入されるのは来年2017年からなので、来年以降は状況が変わるかもしれません。
この辺りの状況は、世界中のタックスヘイブンが巻き込まれつつある避けがたいトレンドですので、これを理由に香港籍のサンライフやアジアスを選択するという意味は特に無いと思います。
デラウェア籍のインベスターズ****に関しては、米国課税対象者のみを世界中で洗い出すことを目的としたFATCAの管轄なので、CRSの課税居住国概念とは異なるためにマイナンバーが不要であると考えられます。
(※2016年5月現在デラウェア証券バージョンの上市は先送りの状態)
今年は、そういった課税環境の世界的な強化に加えて、中国経済の大調整を発端とする世界同時恐慌の可能性があり、株や不動産を中心に、世界中で投資対象となる全てのものが、大きく値を下げる可能性があり、2005年以降ブームとなった「オフショアファンド」に投資するタイミングとしても決して良いとは言えません。
特に一括投資に関しては、状況がある程度見えてくるまでは控えた方が賢明でしょう。
積立投資に関しては、悪いときに始めた方が良いというのは、リーマンショック以前に積立を始められた方が、2009年~2011年頃に経験していることですが、理論的にはいつ始めても良いようには思われます。
いずれにしても、しばらくの間はマイナスの運用が続く可能性を十分理解した上で、ロイヤルロンドン(RL360)やインベスターズ***の積立を今から始めようと考えている方にとって、重要なことは以下のようなポイントではないかと思います。
そして、如何なるお勧めが誰からあろうとも、オフショアの積立投資というものを始める場合には、現状はロイヤルロンドン(RL360)のクアンタム(Quantum)かインベスターズ****の提供する商品しか選択肢は無いと考えておいた方が良いと思います。
1)誰から何を聞いて興味を持ったかは、購入判断の要素から外す
2)購入前に商品のスペック(内容)については十分理解をする
3)紹介者や紹介会社ではなくIFA(仲介ブローカー)から直接自分で購入する
このブログを含め、ロイヤルロンドンやインベスターズ****で検索をすれば、ネット上でも沢山の情報が今は手に入ります。
その情報の信憑性はともかくとして、情報は無いよりはマシです。
但し、情報の発信者には必ず意図があることを忘れてはなりません。
私のブログにたどり着かれる方も、大半は、どこかで誰かからロイヤルロンドンやインベスターズ****の話しを聞かれて、購入前や購入後に検索してたどり着かれる方ばかりです。
買ってしまってから、どうだったのか気になって検索するくらいなら買わない方がマシかもしれません。
ですので、買う前によく調べた方が買った後に不安になって調べるよりははるかに良いと思います。
調べてみればわかることですが、この手の商品には長い歴史があり、2008年頃からのフレンズプロビデント(Friends Provident)が辿った歴史を理解しないことにはなかなか理解できない不可解な情報の乖離現象に突き当たります。
ロイヤルロンドン(RL360)とインベスターズトラストに関しても、ポジティブな意見とネガティブな意見が入り交じっています。
詐欺だと言うひとも居れば、凄く良いからやった方が良いと言うひとも居ます。
私はどちらとも言いません。
投資商品のスペックは、所詮紙の上のものでしかなく、内容は極めて明快(であるべき)です。
わかりにくい部分があれば、わかるまで時間をかけて追究すれば良いだけのことです。
日本の投資商品や保険は、敢えて感情に訴える部分をクローズアップして、商品の構造については意図的にわかりにくくしているとしか思えないほどわかりにくいですが、海外の投資商品の構造はそれに比べれば非常にシンプルです。
英語がわからなくてつまずくかたも多いようですが、そこで恐れをなすようでは所詮海外で投資などできません。
流通に関しても、商品提供会社(プロバイダー)→仲介ブローカー(IFA)→投資家という極めてシンプルな構造となっており、ロイヤルロンドンであろうが、インベスターズ****であろうが、どこか海外の正規仲介業者1社にコンタクトを取れば購入できるものです。
そういった、どこの国のどの会社がどこの国のどの商品を扱っているか?など海外の正規代理店に関する情報も10年以上昔は全くありませんでしたが、今ではネット上ですら公開されています。
ロイヤルロンドンを買いたければ、ロイヤルロンドンの(海外の)正規代理店を探して、そこから購入すれば良いし、インベスターズ****であっても基本的には同じことです。
昔であれば、ロイヤルロンドンやインベスターズ****に直接聞けば、代理店の選択を提供してくれましたが、今では複数の代理店の利害に関わるため、情報を教えてくれなくなりました。
代理店(IFA)に直接問い合わせた場合についても、日本居住者であることを明かすと、日本の紹介代理店に振られるケースが殆どのようです。
日本の金融庁は、自分のシマが荒らされることに対して、たとえ規模は小さいとしても、海外のブローカーにまで文句を付けに行きますので、IFAは法的な責任回避のためにそのような対応をすることが多いように思います。
しかしながら、こちらが勝手に買いたいと言ってわざわざ連絡してやっている訳で、それを海外のIFAがスンナリ受け入れてすれさえすれば、業法上の問題も何も無いはずです。
ロイヤルロンドンの場合は、昔ながらの仲介ブローカー(IFA)を1社だけ経由する流通システムですが、インベスターズ****の場合は、元々のシステムが複数の階層の紹介者(イントロデューサー)経由で、オンラインによる販売を目論んでいたこともあり、根っこの仲介ブローカーにたどり着きにくくなってはいますが、最近では流通のMLM化を禁止する方針を強化しており、特定のIFAが基軸となって流通する部分が多くなってきているように思います。
間に複数の紹介者や代理店が関与していても、投資家が余分にお金を取られたり、物のように高く買わされたりすることは基本的にありません。
問題は、紹介する人に紹介責任が無いという点です。
商品の構造についても、メリットだけではなくリスクを含めて話す必要もありません。
それが増長すると、いわゆる「ミスセル」と言われる悪意のある売り逃げが発生します。
過去において、主にフレンズプロビデント全盛期の2008年~2012年に正規代理店では無い誰かから勧められて積立商品を購入した人たちがの多くは、このミスセルと売り逃げの被害者です。
ロイヤルロンドンやインベスターズ****においても、同じような事が繰り返されています。
しかし、かつて売り逃げをしたプレーヤーと、これから売り逃げをするであろうプレーヤーは入れ替わっている場合が多いように見受けられます。
売り逃げですから、5年以上前からフレンズプロビデントを売っていた紹介者で今でもロイヤルロンドンやインベスターズ****を相変わらず売っている人はほとんど居ないということです。
その紹介者の典型的な売り逃げ姿勢や、それに依存する正規代理店、場合によっては抱き合わせで紹介される本物の配当型詐欺案件など、流通のプロセス上に詐欺的な要素があるばあいも多いです。
つい最近でも、インベスター****との抱き合わせで紹介された月5%配当の詐欺?案件がどうやら破綻したという噂を聞いています。
しかし、これはインベスターズ****やそこが提供する商品に瑕疵があるわけでも詐欺でもなく、流通途上においてそのシステムに詐欺的な瑕疵があったと言うことです。
未だに月5%の配当が貰える一括投資の案件とオフショア積立の抱き合わせ販売があることに驚きます。
ロイヤルロンドンやインベスターズ****といったプロバイダーやその商品、はたまたIFAに関して、ネガティブな意見を発信する背景には、それを売られると(買われると)商売のチャンスを逃す同業者がいるということです。
今後は、ますますフレンズプロビデントの積立から脱落する投資家が増え、市場ではオフショア積立に関するネガティブな意見や書き込みが増えていくと思われます。
それも、そういう歴史の繰り返しなのだと達観した方が良いでしょう。
分析の結果、商品が自分にとって有益だと判断すれば、IFAに直接問い合わせて買えば良いだけであり、理解できなければ買わなければ良いだけです。
日本居住者を相手にしているIFA(仲介ブローカー)の選択肢はロイヤルロンドン、インベスターズ****双方ともそれほど多くはありません。
IFAの選択に関しても、いろいろな議論がありますが、このご時世において、特に積立投資に関しては、運用能力で判断する時代は終わったと思います。
「AというIFAよりもBというIFAのほうが運用が良い」という話しをよく聞きますが、実際のところ何をもってそう言っているのかイマイチよくわかりません。
おそらく見せられた過去の成績だと思いますが、3年しか歴史のない会社の過去5年間の成績など見せられても何の役にも立ちません。
そういうことを捏造して売りにするところに逆に問題を感じます。
圧倒的に、経営姿勢とサポートの体制がIFAの選択基準としては重要であると感じます。