「ブラックプレジデント」にみる経営者の正論 | Mr.Gの気まぐれ投資コラム

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香港を拠点に活動する個人投資家であり、自称「投資戦略予報士」Mr.Gがお伝えする海外投資の生情報。
ねだるな勝ち取れ、さすれば与えられん!



視聴率的には7-8%と大して振るわなかったみたいですが、ドラマ「ブラックプレジデント」が結構面白かった。


確かに、就活中のゆとり世代にはリアル過ぎて内容が少々きつかったかもしれない・・・。


いわゆるブラック企業と呼ばれる会社のワンマン社長が主人公のドラマなのですが、何が面白いかというと、その沢村一樹が演じる三田村社長という経営者のものの考え方や、発言はことごとく今の世の中では「ブラック企業」の烙印を押されるものにも関わらず、経営者のものの考え方ととしては全くの正論であり、その意見がドラマ中でも従業員や、三田村が社会人枠で通うことになった大学の、黒木メイサ演じる経営学の新米講師や、同じサークルの落ちこぼれ大学の学生たちと全くかみ合わないところが喜劇としてよく描かれています。


沢村一樹演じるブラック企業のブラック社長の暴言?には私にとって笑いのツボが満載です。


しかしなぜ、笑えるのか?


毎回観ながら考えていたのですが、それは今の世の中ではブラックと呼ばれることが間違いないであろう、三田村社長の発言が、経営者として共感できる全くの正論であるにも関わらず、「そんなこと言ったら間違いなくアウトだよね~」的なギャグになってしまう側面と、純粋な経営者思考を持つ主人公の三田村にとっては、「え、なんで?どうしてだめなの?」「そんなの会社として当たり前じゃないか!」と全く思考がかみ合わず平行線をたどる部分が笑えるのかもしれない。


経営に関する正論がギャグになってしまうこの世の中って、本当に大丈夫?と思えなくもない。


あと、自分が経営者として日本の企業の社長であれば間違いなくブラックだと言うことにも気付かされた。


雇うのも雇われるのも難しい時代です。


しかし、有能な経営者の考え方は多分常に同じです。


トヨタ自動車の創業者を描いた「LEADERS」は、とても感動的なドラマでしたが、見方を変えればああいう経営者が活躍できる時代だったかこそ、今のトヨタがあると言えるのかも知れません。


今後は企業が残業手当を出さなくてもいい時代になるかもしれません、そうなると生活残業をしていたひとたちは、残業しなくなり、副業に走るでしょう。


そもそも生活残業をしていた人たちの残業には生産性があったとは言えないので、会社にとってはいいことです。


それでも、会社の組織の中で会社に貢献して将来管理職や経営者を目指そうとする人たちは、サービス残業もいとわないでしょう。


ゆとり世代のエリート集団化してしまったソニーが競争力を失ってしまったように、放っておけば日本の企業は殆どダメになってしまいます。


政府の方針は常により多くの税金を払ってくれる経営者や大企業側ですから、最終的には大企業が国際競争力を持ちうる方向に舵を取らざるを得ないわけです。


最低賃金もいずれ見直されざるを得ないような気がしています。


そういった流れの中で、やれブラック企業だのブラック社長だの、雇用される側が文句をいったところで、自分の会社が傾いてしまったら元も子もない話です。


経営者は経営者らしく、被雇用者は被雇用者らしく、ビジネスという戦いの場においては、それぞれがやるべき事を規制なく自由にできなければ勝つことはできません。


個人という観点でもそれは同じです。