博報堂DYホールディングスは1月20日、「全国スマートフォンユーザー1,000人定期調査」第8回分析結果を発表した。
それによると、日本でのスマートフォン保有率は、10代後半が87.3%、20代が82.0%で、いずれも8割を超えることが明らかになった。
同調査は、高校生~69歳男女のスマートフォンユーザー1,000名を対象にインターネット調査を実施。
調査時期は2013年11月29日~12月1日。同社のグループ横断型組織「博報堂DYグループ・スマートデバイス・ビジネスセンター」は、日本のスマートフォンの普及状況を浮き彫りにするため、2012年より定期的に調査を実施しており、今回で8回目となる。
スマートフォンの保有率は55.2%となり、前回(2013年8月)から7ポイントアップした。
性別にみると、「男性」50.1%、「女性」58.9%。年代別にみると、「15~19歳」87.3%、「20~29歳」82.0%、「30~39歳」64.0%、「40~49歳」50.1%、「50~59歳」39.7%、「60歳以上」20.3%で、10代後半と20代は8割を超える。
このスマホ保有率というのは、対総人口?それとも対携帯電話保有人口?
抜き取りの統計値であることを考えると、年齢別の人口に対するスマホの保有率なんだろう。
まぁ、携帯が人口に対して100%以上普及していることを考えると、携帯電話保有者に対するスマホの比率と言ってもよいかもしれない。
驚くべきことは、全体では未だに50%近くがガラケーだという事実だ。
10代~20代はさすがにスマホ率80%越えだが、特に50歳以上への普及が思ったほど進んでいない。
巷では、「ガラケー復活説」とうのもあるらしく、「スマホなんか要らない、ガラケーで十分」と主張する時代遅れの人たち向けにメーカーがガラケーを新たに普及させようとしているというような馬鹿げた話もある。
確かに、電話というものの機能として、スマホの提供しているものは、完全にオーバースペックだし、特に高齢の方々にとってはお世辞にも使いやすい便利なモノとは言えない。
しかし、現実には世界的にも長寿国である香港において、年齢に関わらず既にスマホの普及率はほぼ100%である。
そして、既にiphoneではなく、画面の大きいギャラクシーノートの普及が進んでいる。
日本においても時間の問題であるとは思うが、この差は大きすぎる。
日本という世界でも最先端の技術を持った国において起こっている事とは信じられない。
かつて、パソコンやインターネットの普及に関しても、日本はアメリカから3年ほどの後れをとっていた。
モバイル機器の普及に関しては、今や中国にも後れを取っているように思われる。
ガラケーにこだわる人たちは、電話というものの機能に固執しているのだと思われるが、そもそも「電話回線で音声通話をする時代がいつまで続くのか?」という疑問を持つべきだろう。
スマホは、電話の機能を持っているが、もはや電話ではない。
移動型携帯端末であり、将来は殆どの国の殆どの場所においてWIFI環境が整備され、それによって携帯端末は常時オンラインであるという状況が起こると考えられる。
その世界ではもはや電話という、電話回線で直接通話する概念は無くなっているだろう。
この日本でのスマホ普及率の異常な低さは、日本人のコミュニケーション能力や、グローバル・コミュニケーションの重要性に対しての認識が薄いことの表れであるように思われる。
言葉にならない思いや、表現できない気持ち、といった奥ゆかしい世界は、どんなにコミュニケーションのツールが発達しても、我々日本人の心の中に住み続けるものであって、ツールを否定したからと言ってそこに美学が宿るわけではない。
もはや、繋がっていないもの、見えないもの、聞こえないもの、どこにいるかわからないもの、は存在していなものとして認識されかねない時代に突入している。
たった一台のスマホとSNSによって、今まではガラケーに入っていたたった100件ほどの電話帳の世界から、世界中の数千人とのコミュニケーションへと扉が開かれるのだ。
そんなもの必要ない?
そう、大半のひとにそんなものは必要ない。
しかし、我々の意志とは関係なく世界は変わっていくのだ。
その未来が、今よりも心地よいものなのかどうかに関わらず。
そして、最終的に我々にそれを否定する選択肢はない。