久々にビリージョエルを聴いてみた。
「New York State of Mind」とか、
「Piano Man」とか、
「My Life」とか、
「Say Goodbye to Hollywood」とか、
みんな改めていい曲です。
でも、今は「Honesty」がちょっと心に沁みました。
「QQ音乐」では歌詞が同時にダウンロードできるので、カラオケの練習にもなりますが、普段はあまり気にしない歌詞の内容を改めて読むことによって別の感じ方があります。
その昔、レコードの全盛時代にレコードを買って、「ライナーノーツ」読んでる感じです。
「Honesty(オネスティ―)」という単語の意味は、おおかた誠実さ、潔白さ、正直さなどと訳されるものですが、日本語でこれに該当する言葉は実際にはもっと多いです。
真っ当さ、実直さ、節操のある、剛直さ、節義のある、忠実さ、清廉さ、素顔、律儀、真面、生真面目など・・・ひっくるめると真面目で正直で誠実?みたいな意味で捉えて間違いはないでしょう。
日本語で、「あの人ってホント真面目なひとよね~」みたいなときには、英語では「Honest person」とは表現しません。
その場合はたぶん「Serious person」でしょう。
Honestの意味を日本語の誠実と比較しても、おそらく英語のHonestのほうが日本語の誠実よりも内面性に対してシビアな言葉である気がします。
日本人の感覚で、「誠実なひと」というのは結構見つけることができるような気がしますが、Honestなひとなど殆どいないというレベルの内面の誠実さを問うものがHonestという言葉の奥にはあるような気がします。
私が、英語で会話をするときによく使うHonestを含むフレーズと言えば、
「Please give me your honest opinion.」ホントのことを言ってよ・・・とか、
「Honestly saying...」、「To be honest, ...」正直な事を言うとね・・・とか、
良く考えてみると、本当のHonesty(誠実さ)など存在しないことを前提に使っているような気がします。
そういう理解のもとに聴くビリージョエルの「Honesty」はとってもシュールです。
Honesty is such a lonly word
Everyone is so untrue
Honesty is hardly ever heard
And mostly what I need from you...
誠実はとても寂しい言葉
みんなとても不誠実
誠実はほとんど聞かない
でも 大部分は君から欲しい物
直訳するとこんな感じで訳が分かりませんが、感覚意訳すると以下の様な感じでしょうか。
オネスティ―って言葉はなんて空虚なんだ
誠実に生きてる人なんかいない
本当の誠実さが存在するなんて今まで聞いたことも無い
でも、それが今あなたに最も望むこと
これは、人間の誠実さを完全否定している訳ではないと思う。
誠実さは人間の本質の中に存在しているものであるが、それが発現することが困難であるという前提で自分にはない誠実さを他人に求めることの不条理を説いているかのようだ。