Dear Snow 1 | シークレットサイン *嵐大宮妄想小説*

シークレットサイン *嵐大宮妄想小説*

嵐さん大好き、サトシックの妄想ブログです。
今日もリグレットと向き合いながら、
主に大宮の腐った妄想小説を書いています。
















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いつか、この身も散るのなら、


この身体、この命、
貴方のために使いたい―――


少年の日に、その人の横顔に誓った想いは


叶うことなく、
20年の月日が流れた。






―――――――

 Dear Snow 

―――――――





一年中、雪が降り続ける、
真っ白い大地。




この国は、もうずっと長い間、


戦争をしている。











「二宮」


軍本部の中央棟、
総司令官の部屋に向かう途中で、
名前を呼ばれて足を止めた。


声を掛けてきたのは、
同じ作戦部に所属する先輩。


「総司令官に呼ばれているのか」

「はい」


そう答えると、憎々し気に睨まれた。


『総司令官に呼ばれている』―――
それはつまり、次の作戦に、
俺の案が採用されたということ。


もうこれで三期連続、
俺の案が採用されることになる。
さぞ面白くないだろう。


「なあ二宮…どんな気分だ?
自分の作戦通りに人が次々死んでいくのを
見るのは。神にでもなった気分か?
さぞ快感なんだろうな」

「……」


黙っていると、さらに畳みかけられた。


「いい気になるなよ。
お前の案ばかり採用されるのは、
お前が総司令官に股を開いてるからだって
みんな言ってる」


股を開いた覚えはなかったが、
何と言われようがどうでもよかった。


「あぁ…実はそうなんですよ。
私、それしか能がないもので」


そう言って、少し口角をあげてみせると、
先輩は言葉に詰まって悔しそうな顔をした。


…男の嫉妬ほど醜いものはないな。


「急いでいるので失礼します」


まだ何か言いたげな先輩を遮って歩き出す。




―――人が死んで快感?


そんなわけ、あるか。


だけど…たとえ快感でも、
感じるだけマシなのかもしれない。
だって…


本当はもう…何も感じない。






総司令官室の重い扉をノックして、
「二宮です」そう名乗ると、


「入れ」


中から低い声がした。


部屋に入ると、
重厚な椅子に座ったまま葉巻を燻らす、
豚のように肥えて脂ぎった総司令官が、
俺の顔を見てにやりと笑った。


込み上げる嫌悪感を
完璧に隠して一礼する。


「お前は本当に悪魔だな。
よくこんな残忍な作戦を思いつくものだ」

「ありがとうございます」


一番多く生き残る方法を提示しているだけ
なのに、残忍だと言われる。
でも、それももう慣れっこだった。


「ところで…」


総司令官が葉巻を置いて、
膝の上で両手を組んだ。


「お前の作戦ばかりが採用されるのは、
私とお前が特別な関係だからだという声が
あるらしい」

「…はい。私も耳にしたことがあります」

「根も葉もない噂は困ったものだか…
なるほど一理あると思ってな」


舐めるような無遠慮な視線を感じ、


「お前は自分の態度や容姿がどれだけ
周りの男たちの嫉妬や劣情を煽っているか
分かっているのか。
何か問題が起こる前に私の庇護下に入ったら
どうだ。
ほんの少し奉仕するだけで守ってもらえる
んだ、悪い話じゃないだろう?」


欲を浮かべた総司令官の顔を見れば、
『ほんの少しの奉仕』の内容が
容易に想像できた。


が、ここで返答を間違えれば、
あとあと面倒なことになる。


何と答えるか迷って…
開いた一瞬の間に、
短気な総司令官の顔が歪んだ。


「…利口になれよ、二宮。
可愛げが無いのはお前の魅力のひとつだが、
可愛げが無さすぎるのはいただけない。
痛い目にあってから後悔しても遅いんだぞ」


警告?…予告か?


しおらしく伏し目がちに俯きながら、
早々に何とかしないと夜道を歩けないなと、
頭の中で考えていた。



 

 

 

つづく