いい加減手首が痛い。
前をずんずん歩いてく潤は一つもこっちを見ない。
それでも私の腕を掴んでぐいぐい引っ張って連れ歩く。
それに、自意識過剰なだけかもしれないけど。
周りからの…視線が痛い。
正直言うと潤は
眉毛が太いし、濃いし、
まつげもバシバシだし、
唇も厚いし、意志の強い眼差しをしてらっしゃるし、
もうとりあえず、顔が濃くていらっしゃるし……。
そんな男がか弱い、いやひ弱な、いやいや脆弱な女性を
強引につれて歩くのは
草食系だのなんだのが多い昨今では非常に
羨ましがられるのだ。
うらやま…ってより妬ましがられる?
“あんなおばさんがこんな良い男に言い寄られて
調子乗ってんじゃないわよババァ!”
みたいな、さ。
いや、ただの被害妄想です、ハイ。
あぁそれにしたって、いったい私はどこに連れてかれてるんだろ。
人を避けたり、潤のスピードにあわせて転ばないように引っ張られたり、
私の足は
「もう無理、折れて良いですか、、折れて良いですよね折れます」と
悲鳴を上げていた。
まさか疑い続ける私に愛を示そうとラブホへ!?
いやいや、もう愛想つかしたから殴り倒そうと路地裏とか!
あーもう予想もつかないほど恐ろしいよ!
もう歩きたくない!
そう思ったとき、潤が足を止めた。
ん、以心伝心?とか思ってみる。
辺りを見ると、目の前にはいつの間にか潤のマンションがあった。
なんで家の前で止まるの?
すると、ふと振り返って
「ここで待ってて、絶対動くなよ」
と、エントランスに消えていった。
ハイもう絶対動きません。まぶたも動かしません。
けど目が乾いても潤は戻ってこない。
諦めて瞬きしまくって、数歩道の端に動いたけど
それでも来ない。
コレってある意味での制裁か?
マンションの前で男を待ち伏せしてるアイタタタな女だ
と辱めを受ける元彼女を見て面白がってほくそえんでいるのか!?
「お待たせ、てかなんでそんな怖い顔してんの」
あ!……いや。これは