潤に怯えてました。なんて言ったら本気で愛想を尽かすだろう。
でもまだ私は潤に見捨てられたくはない、からそのことは言わないでおいた。
そして私はまた彼に手を引かれるがままにマンションの駐車場に入る。
薄暗い駐車場で前を歩く潤はなぜか落ち込んだように見えた。
車の扉を開いて私を乗せてくれたのに当の本人は、
外で電話を始めてなかなか乗ってこない。
会話の内容が気になって、どうしても気になって、
音を出さないようにドアをゆっくり開けて
こっそりと潤の声を聞いた。
「…だから家で待っといて欲しいんだ。
――うん、出来るだけ早くいくから」
じゃあもう切るね、と携帯の画面をタッチしたあとポケットに突っ込んだ。
しまった! ドア開けてるし、大した内容も聞けなかった!
静かにドアを閉めてぐっと引っ張る。
かちゃんと静かな音がしたから、なんとか閉まったみたいだ。
ほうっと安堵の息を吐くと
いやに大きく聴こえてしまう音――ドアの開く音がして彼が車に乗り込んだ。
「……どこ行くの?」
顔を覗き込んで恐る恐る聞いてみる。
なぜか「んぅー」と悩んだ潤は、「とりあえず、買い物だな」と、
いつものように白い歯を見せて可愛く笑った。
――その後ドライブして海に行こうか
潤はそう小さく呟いた。