今日の日経ビジネスオンラインに面白い記事が載っておりました。

詳細はそちらをご覧頂くとして、目を引くのはFRBの主な資産がグラフで現されているところです。何と、今回の流動性対策に4125億ドルを投じ、FRBの資産全体の5割弱にもなっているとのこと。しかも、金融機関から受け入れた担保は信用度が劣り、市場では換金できないものも含まれております。

但し、この流動性対策が原油を始めとする投機マネーに流れていったというのは、いささか事実と異なるようです。FRBは手持ちの長短国債を市場に放出して、マネーを回収しており、準備預金残高の増加を防いでおります。(これは市場金利を2%に誘導するための処置。)

しかしながら、問題は短期金融市場のストレスは一向に改善していないことです。専門用語ですので、筆者も詳しくはありませんが、【3ヶ月LIBOR-3ヶ月OIS金利=3ヶ月のタームプレミアム】となりますが、このスプレッドが平時は0.03%~0.1%のところ、ベアスターンズ救済後も0.7%近辺に高止まりしている異例の数字になっております。つまり、未だ金融機関がお互いの財務内容に不安を抱いていることの証拠が、このスプレッドの拡大に現れております。

そして、重要(だと筆者が思った)ことは、FRBが2%に誘導している筈の短期金融市場で、6月30日には大荒れとなり、一時3.7%まで跳ね上がったとの事実です。

FRBが手持ちの国債を売って市場からマネーを吸収して2%に誘導してきたオペレーションに、市場が悲鳴を上げているということですね。

FRBの資産内容をこれ以上劣化させれば、即ドルの信認問題に行き着きます。かといって、この短期金利の上昇は、市場での資金不足が続いていることを示しております。

折しも、6月のアメリカの企業の破産申請件数が前年比34%増となっております。金詰まりの影響ですね。

改めて言えることは、中央銀行がいくら流動性対策を行っても、金融機関の資本は劣化の進行からは免れていないという事実です。そして、このままFRBの資産までが劣化し続けると、これは重大なるドルの不信任に繋がっていくということですね。

とにかく、住宅市場での価格下落が止まらない限り、こうした悪循環にドンドンと落ち込んでいるのがアメリカ金融市場の現状ということ。ところが、この住宅価格は、これから後2-3割は下落調整するのが、これまでの世界のバブル崩壊からの教訓です。

流動性対策では限界があることが見えてきております。BIS(国際決済銀行)も言うように、公的資金の投入以外にはやはりなさそうです。

ドル・円はついに終値で106円を下回りました。ここから一気にタガが外れて円高に進行する可能性があります。今日も株式市場は波乱に富んだ展開となるでしょうが、何とか「ドルと一緒に奈落の底へと転落する」ことだけは避けねばなりません。